長崎港で五島産「超小型電気自動車」展示 五島市の企業が独自開発

「e-COM piyo」と眞崎一郎社長

「e-COM piyo」と眞崎一郎社長

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 長崎港にある「おくんち広場」(長崎市元船町)で5月8日~10日に開催される「五島列島まつり」で、五島市の企業が独自開発した「超小型電気自動車」を展示する。

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 手作りの2人乗り電気自動車を開発したのは土木建築資材業「眞崎商店」(五島市吉久木町)を事業代表とする企業や大学などのプロジェクトチーム。完成車両にはナンバープレートが交付されている。

 この取り組みは国土交通省が進める「超小型モビリティ」認定制度に基づくもので、同省では地方自治体や観光・流通関係事業者などが公道走行可能な超小型モビリティを先導的に開発した場合、開発資金などを重点的に補助している。

 超小型モビリティは「自動車よりコンパクトで小回りが利き、地域の手軽な移動手段となる環境性能に優れた車両」と定義され、長さや幅、高さが軽自動車の規格内にある三・四輪自動車で、乗車定員は原則2人以下。定格出力8キロワット以下(または排気量125CC以下)の車両が対象となり、大手自動車メーカー各社も開発に力を入れている。

 眞崎一郎社長らは「離島ではガソリンなどの燃料コストが本土に比べ非常に割高。五島が力を入れている再生可能エネルギーを利用できる電気自動車に大きな需要が集まる」と期待。島内では小回りが利く軽貨物車が最も利便性が高いと考えた。これまで実証実験や試作を重ね、さまざまな失敗の経験を乗り越えて軽トラック型の2人乗り超小型モビリティ「e-COM piyo」の開発に成功した。独特のデザインが施された運転席後部には、箱型の荷台が取り付けられている。調査した結果、環境条件にもよるが走行コスト(電気代)は40キロ走行でおよそ30円。原付バイクの燃料代に比べても10分の1程度だという。

 「島内には多くの整備工場がある。私自身はメカに弱いが、地域特性に根ざした電気自動車を自分たちで作ることが地域活性化につながり、いずれ全国の離島に貢献できると信じている。五島独自の多様で豊富な自然エネルギーによる電力の地産地消になれば」と眞崎社長。

 5月10日が語呂合わせで「五島の日」に当たることからこの時期に開催される「五島列島まつり」は、電気自動車を展示するほか、観光物産展、五島の方言で歌うバンド「ベベンコビッチ・オーケストラ」のライブや伝統芸能の披露、お楽しみ抽選会などが行われ、会場内では五島の20%プレミアム付き商品券「しまとく通貨」を使用できる。

 開催時間は5月8日11時~19時、9日10時~19時、10日10時~18時。雨天開催(荒天時中止)。

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