長崎で音楽イベント「グループサウンズカーニバル」 ラストスパートでほぼ満席へ

観客席が総立ちになったフィナーレ

観客席が総立ちになったフィナーレ

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 NBCビデオホール(長崎市上町)で5月10日、音楽イベント「グループサウンズカーニバル」が開かれた。

越川ヒロシとカーナビーツメモリアルバンド

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 グループサウンズ(略称=GS)は、1967(昭和42)年初夏から1969(昭和44)年春にかけて日本全国で流行した音楽スタイル。ビートルズ来日公演(1966年)をきっかけに、楽器を演奏しながら歌う若者のグループが日本で次々にデビューし、大きなブームになった。

 プロのミュージシャンがグループサウンズ時代や、その前後にヒットした楽曲を歌い、観客らに元気になってもらおうという目的で初めて企画された同イベント。今年4月に行った長崎経済新聞の取材に対し、発起人の一人は「ほんの短い期間だったが、今の人たちには想像できないほどのブームが巻き起こった。若者だけでなく老若男女、多くの日本人が熱狂した時代。今は閉塞感漂う時代だからこそ、あのエネルギーを呼び起こすべき」と話した。

 しかしスタッフらの地道な努力にもかかわらず、イベント本番直前の5月1日時点でも空席が目立つ状況が続いた。「特に若い人たちはグループサウンズの世界をほとんど知らない。まず聞いてもらわなければ絶対に続けられない。一度聞けば誰もが(魅力を)わかるはず」と危機感を募らせたスタッフらが手分けして家族や友人、知人などに再度訴えたところ、イベント当日は300席がほぼ満席となった。

 メーンゲストはデビュー曲「好きさ 好きさ 好きさ」(1967年6月発売)のヒットで一世を風靡(ふうび)したバンド「ザ・カーナビーツ」のメンバー3人で編成する「越川ヒロシとカーナビーツメモリアルバンド」。同曲はイギリスのバンド「ゾンビーズ」が1965年に発表した「I love you」の日本語カバー曲。そのほかにも地元長崎のミュージシャンや東京で活躍する長崎出身のミュージシャンなど合計6組が出演した。

 そのほかの出演者は「マンボー稲松とハッピーエンド」「ジャックポットファイブ」「ウェンズデー」「川田金太郎さん」「上奥まいこさん」。東京で活躍する長崎市出身の歌手・上奥まいこさんは、当時の人気グループ「ピンキーとキラーズ」のヒット曲「恋の季節」(1968年7月発売)と、平田隆夫とセルスターズのヒット曲「ハチのムサシは死んだのさ」(1972年2月発売)の2曲を歌うために東京から参加。そのほかの出演者らも「グループサウンズ」時代の楽曲を披露した。

 老若男女が入り混じった会場は少しずつ盛り上がりを見せ、最後に登場したカーナビーツメモリアルバンドがフィナーレ曲「好きさ 好きさ 好きさ」を歌い始めると観客らは総立ちになり、ほかの出演者らもステージに集まって一人一人の熱唱が会場全体に広がった。参加した40代の男性は「まだ生まれていなかったので、リアルタイムでは知らない世界。どんな感じだろうと思っていたが、予想を大きく上回る楽しさだった。ぜひ今後も続けてほしい」と話す。

 60代のスタッフの男性は「ゴールデンウィーク前、イベントのことが気になってあまり眠れなかった。皆さんに最後まで協力してもらい、大成功に終わったことに感謝している。多くの参加した人たちから続けてほしいという声をいただき、本当にやってよかった。カーナビーツの皆さんからも、ぜひまた参加したいと言われている。本当にありがたい」とほほ笑む。

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