長崎経済新聞の2015年上半期PV（ページビュー）ランキング1位は、新地中華街に出現した「怖すぎるお化け屋敷」を伝える記事だった。

　新地中華街に「オバケリア廃墟ビルお化け屋敷－サイコブサイク」が出現したのは2月18日から19日間。ちょうど、長崎ランタンフェスティバル（2月19日～3月5日）開催期間中に当たる。実在する建物を利用して同アトラクションを手掛けたのは「お化け屋敷リノベーション」の提唱者として全国各地のさまざまな場所を集客アトラクションに生まれ変わらせてきたマイケルティー・ヤマグチさん。

　記事配信後、ツイッターやフェイスブックを通じて話題が拡散。記事に対するフェイスブックのシェアが短時間で450を超えたほか、ヤフーニュース「地域」カテゴリのアクセスランキングでもベストテン内にランクインした。同アトラクションの担当者によると、来場者の中には待ち時間の間に恐怖心が増幅して入場を断念した人が数名いたほか、取材に訪れたメディア関係者の中にも恐怖で声や手が震えていた人もいたという。

　ランキングは今年1月1日から6月30日までに配信したヘッドラインニュースのPVを集計したもの。上位10位は以下の通り（カッコ内は掲載日）。

1. 長崎・新地中華街に怖すぎる「お化け屋敷」（2/12）
2. 長崎で瀬戸内寂聴さんと美輪明宏さんがトークショー（6/8）
3. 長崎の雑貨店がジョーク雑貨「赤ちゃんがノッています」発売（5/12）
4. 長崎の老舗栗まんじゅう店が解体・新築へ－仮店舗限定商品発売（1/12）
5. 長崎市公会堂近くに「テークアウトの空揚げ専門店」　猫好きの女性、長年の思いが現実化（5/19）

6. 長崎県美術館で「木梨憲武展」－20年間の作品、約300点（3/6）
7. 長崎でコスプレ花見イベント「加トちゃんで花見だよ！全員集合」（3/27）
8. 長崎の和菓子店、猫キャラ創作和菓子「にゃまがし」発売－猫好きの妻がリクエスト（1/26）
9. 長崎・中通りのバーガー専門店が「丸ごとステーキバーガー」発売（1/7）
10. 長崎市立図書館で「天才ちゃんの育て方」講習会－学習塾経営者がノウハウ公開（1/30）

　7月25日に長崎ブリックホール（長崎市茂里町）で行われる作家の瀬戸内寂聴さんと長崎出身の歌手・美輪明宏さんのトークショーを伝える予告記事が2位にランクイン。特に記事配信直後から美輪さんの直筆コメントの画像がツイッターのリツイートなどで拡散され始め、3週間以上経過した現在でも続いている。問い合わせ窓口の関係者によると記事配信後、全国各地から問い合わせがあったという。

　3位にランクインしたのは新大工商店街近くの雑貨店「ざっかきらく」が福祉施設が作ったジョーク雑貨を発売したことを伝える記事。昨年5月のオープンからちょうど1周年のタイミングでの発売。店主の堀切康子さんは「自信はあったが、予想以上に多くの人から『かわいい』と注目してもらえてうれしい」とほほ笑む。

　「テークアウトの空揚げ専門店」（5位）の記事は、店主の山野順子さんが「この場所で弁当店を開きたい」という思いを20年間描き続け、偶然が重なって実現したという話題にメディアの取材が集中。山野さんによると「テレビでリポーターがあまりにもおいしそうに食べていたから」と、諫早や佐世保、平戸などからも客が訪れたという。8位には猫キャラの創作和菓子、9位には「丸ごとステーキバーガー」の話題がランクイン。今回もベストテンのうち、4本が食べ物に関する記事となった。

　10位にランクインした「天才ちゃんの育て方」講習会を主催した白石直子さんは、発達障がいの子どもなどを指導する個別学習塾「凸凹楽習塾・勉強ラボ」（虹ケ丘町）を経営する傍ら「みんな天才ちゃんプロジェクト（通称＝みん天）」を6月に結成。突出した能力がありながら現状の教育環境になじめない小・中学生を選抜してサポートする試みを行っている東京大学先端科学技術研究センターの中邑賢龍教授を長崎ブリックホール（茂里町）に招いて講演会を行う計画を進めているほか、関連するイベントや取り組みなどを今後も企画する予定という。

　ベストテン圏外で14位と19位にランクインした五島産「超小型電気自動車」の開発に取り組む真崎商店の真崎一郎社長は「全国の自治体、大学、企業などから見学や問い合わせが相次いでいる。長崎発の技術として今後ますます全国から注目が集まるだろう」と力を込める。

　長崎経済新聞では下半期も独自の視点から「芽が出るかもしれない」「人びとの幸せに貢献するかもしれない」長崎発の話題が埋もれてしまわないよう探し求めていきたい。