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留学中の高校生、長崎でのキッズゲルニカ作品展示目指す CFで支援呼びかけ

支援を呼びかける田中さん

支援を呼びかける田中さん

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 長崎市出身で現在アイルランドに留学中の田中ねねさんが現在、長崎市で今夏行われる「キッズゲルニカin長崎」での作品展示に向けてクラウドファンディングで支援を呼びかけている。

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 現在、高校3年の田中さんは県外の高校に進学し、新しく出会った友人と話すうちに、小・中学校時代に経験した平和学習や原爆について学ぶことが当たり前のことではないと気付いた。同時に「被爆の歴史を自分事として受け止めていない」と感じ、「歴史を学ぶ側ではなく、平和を未来につなげるために模索しよう」と長崎で青少年ピースボランティアとして活動を始めた。ボランティア活動の中で同じ思いを持った同年代の仲間や大人と出会い、その一つが「キッズゲルニカプロジェクト」だったという。

 キッズゲルニカはスペインの画家パブロ・ピカソが無差別爆撃の惨状を描き、戦争を非難した壁画「ゲルニカ」に倣い、同作と同じ縦3.5メートル、横7.8メートルのキャンバスに子どもたちが平和へのメッセージを描く国際的な取り組み。長崎では山下昭子さんが中心となり、17年前から毎年8月に爆心地公園(松山町)の横を流れる下の川で市内の子どもたちが描いた十数点の作品を展示している。

 昨年夏からアイルランドに留学した田中さんは「さまざまな国籍な友人との出会いで世界の不安定な情勢がより身近に感じるようになった」と話す。これまで学んできたことや託された思いをアイルランドの子どもたちに届けるとともに一緒に作品を完成させ、故郷の長崎に運んで展示することで、「より多くの人にキッズゲルニカを知ってもらい、平和への思いを共有したい」とクラウドファンディングを立ち上げた。

 以前からクラウドファンディングに興味があったという田中さん。留学先の学校長から「たった一人でプロジェクトを立ち上げ注目を集めるのはすごい。もうすぐ帰国してしまうのが惜しい」と声をかけられたという田中さん。支援者からも温かい言葉をもらっているというが、プロジェクトの立ち上げでは「公開に向けて条件を満たすことができず、一人手探りで苦労した」と振り返る。田中さんは「高校生一人でもプロジェクトを立ち上げて支援を募ることができるということを知ってもらえれば」と支援を呼びかける。

 クラウドファンディングは7月9日まで。

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