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長崎のマンションで廃品処理サービス-管理会社と処理業者がタイアップ

1戸ずつ声をかけて廃品処理するスタッフ(背中が見えているのは小畑さん)

1戸ずつ声をかけて廃品処理するスタッフ(背中が見えているのは小畑さん)

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 マンション管理会社の「あなぶきハウジングサービス」(香川県高松市)は3月3日、廃棄物処理業者のダイエイ(長崎市風頭町)と共同で長崎市内のマンションで廃品処理サービスを行った。

燃えるごみを担当するトラックと作業中のスタッフ

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 同サービスを行ったマンションは長崎市北部にある築33年の6階建て分譲マンション。当初は入居者による自主管理を続けていたが、2年半ほど前から同社に管理委託したという。同マンションの駐車場には朝早くからトラック3台と廃棄物回収用のコンテナを乗せた特殊車両が到着。集まった両社のスタッフがミーティングを行い、トラック3台はそれぞれ「燃えるごみ」「金属類の廃棄物」「木材の廃棄物」に、コンテナは「燃えないごみ」を収集する担当に分けた。

 朝8時、ミーティングを終えたスタッフらは全26戸を6階から1戸ずつ訪問。入居者に廃棄物の有無を尋ね、タンスや電子レンジ、米びつ、古いパソコンなどをスタッフが手分けして次々に運び出した。入居者が不在の部屋には管理会社のスタッフが、入居者の連絡先に電話連絡するなどして指示を受けていた。処理業者のスタッフは「廃棄物の処理にはさまざまな法律上の規制があり、勝手に処理することはできない。今回も無料で処理するものと、入居者の方から料金を頂いて処理するものを明確にして適切に処理することが業者としての責任。料金について説明を求められる方にはきちんと説明する」と話す。

 家電リサイクル法ではリサイクル料金が定められている冷蔵庫、エアコン、テレビ、洗濯機などの指定品目があり、両社のスタッフらは処理に費用がかかる廃棄物をリスト化したものを持って作業にあたっていた。料金を支払った高齢の入居者は「自分で処理するのは無理。知らない業者に回収を頼むのもトラブルになりそうで怖い。適切な料金で処理してもらい、とても助かった」とほほ笑む。

 あなぶきハウジングサービス長崎営業所の小畑祐亮さんは「昨年末に600世帯以上の規模のマンションで最初のサービスを行った。そのときは戸ごとに出してもらったが、あまりにも廃棄物の量が膨大でトラックの回転が間に合わず、夜遅くまで回収に時間がかかり大変迷惑をかけた。その反省も込め、今回は戸数が少なかったので1戸ずつ訪問することにした」と振り返る。「物件ごとに事情は全く異なる。今回は業者主体で行ったが、管理組合が主体になることもあるのでケース・バイ・ケース。中には『料金を取るなら結構です』と断られる入居者の方もいるので、全員に満足してもらえないのは事実として認識している。それでも多くの方に喜んでもらうために、みんなで話し合い試行錯誤しながら続けていきたい」と話す。

 「われわれの仕事は人が全てであり、一方通行ではなくコミュニケーションが大切だと考えている。入居者に喜ばれることを最優先で考えたい」と話す同所長の設楽玄雄(しだらのりお)さん。「来たときよりもきれいにすることもコミュニケーションの一つ」と、箒(ほうき)を手に作業後の廊下や階段の掃除を行っていた。

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