長崎で人材育成のプロが「人が輝く職場づくり」講演

白川鮎美さん

白川鮎美さん

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 長崎県勤労福祉会館(長崎市桜町)で3月5日、労働団体主催の「3.8国際女性デー」長崎集会が開かれ、人材育成企業「Ash」代表取締役社長の白川鮎美さんが「人が輝く魅力ある職場づくり」をテーマに講演した。

大坪沙也香さん

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 国際女性デーは1857年3月8日、ニューヨーク市の被服工場や繊維工場で働く女性らが非人道的な労働条件と低賃金に対して起こした抗議行動をきっかけに制定された。当時の警察は抗議者たちを弾圧したが、2年後の3月には世界初の女性労働組合が誕生。1910年、コペンハーゲンで開催された「第2回国際会議婦人会議」でドイツのクララ・ゼトキンが国際女性デーの制定を提起し、参加した17カ国100人を超える女性たちの満場一致で採択された。

 佐世保工業高等専門学校(佐世保市、通称=佐世保工専)で化学を専攻した白川さんは卒業後、IT業界へ就職するがネイルアートの世界に魅了されて美容コンサルタント会社に転職。その後、10年にわたり多くの女性を育成してきた集大成として「ミス・ユニバース・ジャパン長崎大会」の開催を同社に提案し、自らは原石を磨く教育プログラム「ビューティーキャンプ」の充実に全力を注いだ。その結果、長崎県は「辻恵子さん」「宮本エリアナさん」という2人の日本代表を2年連続して世界の舞台に送り出すことに成功。白川さんは「ミスコンだけでなく、男性や企業の人材育成など一般社会で活躍する人たちを育てたい」と、2015年4月に人材育成企業「Ash」を立ち上げ、社長に就任した。

 演題は「外面・内面・精神面を磨き、輝き・魅力ある職場を」。演壇に立った白川さんはスライドを使って自身のプロフィールを紹介した後、「ずっと理系女子として生きてきた私は、転職した美容業界での接客に全く自信がなく落ち込んでいた」と明かす。外面と内面、精神面をバランスよく磨くことで「美しくなれば人生が変わる」と確信した白川さんが、ミス・ユニバース・ジャパン長崎大会の立ち上げに関わった経緯などを話した。

 2年目にスカウトした宮本エリアナさんは当初、人種差別に苦しみ続け、心を閉ざしていたため、エントリーを断っていたという。「精神面を磨くことであなたはもっと輝く!勇気を持って立ち上がってほしい」とチームで訴え続けた結果、宮本さんの心が開かれ日本代表という実を結んだ。

 「自信を失っていた宮本さんが、日を追うごとに自信あふれる顔に変わっていくのを目の当たりにした。これは明日のあなたの姿でもある」と聴衆に呼び掛け、パーソナルカラー診断やウオーキングの実演などの協力者を募ると、女性2人が手を挙げてステージに上がった。

 実演を通じて「本当に自分に似合う色」を見つけたり、美しい歩き方を伝えたりすることで「自分の磨き方」のコツを伝授した白川さんは「最初に自信なく落ち込んでいたのは私も同じ。誰もがほんの少しの努力と勇気があれば、自信が出てくる」と力を込める。

 ステージに上がった大坪沙也香さんは「これまで自分が好きな色の服ばかりを何となく選んできた。これからは自信を持って本当に自分に似合う色を選びたい」とほほ笑む。

 白川さんは「誰にでも可能性がある。自分を磨くことで自信が生まれると、そこから新しい世界が広がる。それは恋愛だったり、家族との過ごし方だったりするが、ライフスタイルが充実することで人生は激変する。職場でも生き生きと輝くことができる」と話す。「これまでの仕事を通じて『人は人で磨かれる』ことを痛感している。自信とは文字通り『自分を信じる力』であり、人生を変えるために必要不可欠なもの。一般社会で普通に働く私たちこそ、自信を取り戻すことで働く環境やライフスタイルが大きく変化することを信じなければならない」と結んだ。

 白川さんは「現代はちょっとしたことで自信を失う人があまりにも多い。これからも『自信の泉』を探し出す手伝いを続けたい」と笑顔を見せる。

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