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閉園前の長崎県亜熱帯植物園で最後の「デジカメ講座」

最後の記念撮影(前列右端が川原さん)

最後の記念撮影(前列右端が川原さん)

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 今月31日で閉園する長崎県亜熱帯植物園(長崎市脇岬町)で3月19日、最後のデジカメ講座が開かれた。

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 1969(昭和44)年に開園した同園の別称は「サザンパーク野母崎」。長崎半島の最西南端に位置し、橘湾を隔てて雲仙や熊本県の天草半島を望む広大な丘陵地に広がる。四季を通じて鑑賞できる亜熱帯植物は約1200種、およそ4万5000本。県は2月から入園料を無料にしており、現在多くの入場者でにぎわっている。

 つるの長さが8000メートルに及ぶジェードバインなど亜熱帯植物150種、約2000本が楽しめる「大温室」のほか、「ハイビスカス温室」や「フラワーガーデン温室」、葉の長さが1メートル以上に伸びる大型のリュウビンタイなど約60種、300個体を栽培するシダ園がある。そのほか、古代樹スライダーや恐竜アスレチック、つり橋などで遊べる「子ども冒険広場」、園内を約7分30秒で一周するモノレール(乗車料金=200円)も。

 デジカメ講座は諫早市内でスタジオミルクを営む写真家の川原孝子さんが講師を務め、「長崎県民大学」の講座として4年前から県の委託を受けて同園で定期的に開講していた。受講生は川原さんからデジカメに関する知識や構図などの座学を受けた後、園内で実際に撮影しながら指導を受ける。中には開講当初から毎回通い続けた常連の受講生もいる。

 高校生の頃、突然父親を亡くした川原さんを慰めようとした知人に誘われて、初めて同園へ出掛けた川原さん。ところが数日後、川原さんは別の知人からも植物園に誘われる。

 「気持ちがうれしかったので、行ったことを伏せて出掛けたところ、また別の知人から数日後に誘われた」という。その後も同様のことが続き、「ほんの短期間に不思議なくらい何度も通ったが、母と2人きりで取り残され、不安で押しつぶされそうだった気持ちが、同園の景色に癒やされて少しずつ落ち着きを取り戻した」と振り返る。

 「私にとって植物園は、誘ってくれた人たちの真心そのもの。閉園まで一人でも多くの人の思い出になれば」と川原さん。

 同園の営業時間は9時~17時(入園は16時30分まで)。

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