長崎の水族館で「震災復興チャリティーコンサート」

体をくねらせて踊る女児(手前右)

体をくねらせて踊る女児(手前右)

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 長崎ペンギン水族館(長崎市宿町)前イベント広場で3月20日、東日本大震災復興チャリティーコンサート「NAGASAKI MUSIC LOVER」が開催された。

ゆるキャラに殺到する子どもたち

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 震災直後の2011年4月、長崎で音楽活動を行う有志が「音楽を通じて少しでも復興支援をしよう」と初めて開催。その後も会場を変えながら年1回以上のペースで開き、今回で10回目を迎えた。企画した石井寿典さん、原口征大さんは市内で音楽スタジオを営む。

 晴天の日曜日になった同館には多くの入場者が訪れ、広場には同館のマスコットペンギン「ばっぺん」や、尾曲がり猫「のんちゃん」、長崎かんぼこ王国の「竜眼王」「ちくわ王妃」の、ゆるキャラ4体が登場。県立大学経済学部の学生ボランティアとともに復興支援のための募金を呼び掛けた。

 開演時刻の12時、広場に「ながさkids」の子どもたちが整列した。子どもたちは同団体のテーマソング「サンシャイン」を歌いながら、プロの手話うたパフォーマー・藤岡扶美さんが同曲に振り付けたオリジナル手話を披露。観客らは子どもたちの歌声や手話に笑顔で手拍子を送ったり、手話をまねたりした。同団体は「子どもの成長育成ネットワーク」を目指す市民団体。「子どもたちに本物の体験を」をテーマにさまざまな活動を手掛けており、現在は「手話うたDVD」を制作するためのクラウドファンディングに取り組む。

 その後、地元で活躍するアーティスト3組の公演に加えて、バスケットボールやサッカーボールを使った「フリースタイルフットボール」の演技、市内を拠点に活動する和太鼓衆「大鬼侍(だいおんじ)」の演奏、「背筋伸ばしてココロ開放するヨガ体操」などが披露された。

 アーティストの「MAN」さんは、東京で被災した自らの体験を観客らに話しながら「それでも慣れてしまっている自分に驚いた。あの日を忘れてはいけない」と力を込めた。

 数曲を披露した後に「特別じゃない。英雄じゃない。みんなの上には空がある」とコマーシャルソングを歌い出すと、幼い女児が突然最前列に飛び出し、体をくねらせながら踊り始めた。手拍子しながら女児の踊りを笑顔で見守っていた観客らは、曲が終わると大きな拍手を送った。

 最後は石井さんが作詞・作曲を手掛けた「NAGASAKIペンギン体操」を参加者全員で体験して締めくくった。同体操は県立大学西村千尋研究室が制作し、ばっぺんと学生らが体操する様子を動画共有サイト「ユーチューブ」で公開している。

 原口さんは「多くの人たちに支えられて10回目を迎えることができた。知人、友人からの口コミで続けてきたので、これからも人と人との絆を大切にしながら続けたい」とほほ笑む。

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