長崎県美術館で切り絵作品展「切り絵でめぐる古き良き長崎の街並み」

自宅兼工房で制作中の山下南風さん(1983年撮影)

自宅兼工房で制作中の山下南風さん(1983年撮影)

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 長崎県美術館(長崎市出島町)で現在、長崎出身の染色家で切り絵作家の作品展「山下南風 切り絵でめぐる古き良き長崎の街並み」が開催されている。

昭和初期の思案橋電停

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 故・山下南風(なんぷう)さんは1917(大正6)年、長崎市西小島生まれ。16歳で京都に遊学し、画家の青山静山に師事。日本画を学ぶと同時に友禅染の仕事に就き、日本画を生かした染色技術を修得する。第二次世界大戦中は3回招集に応じて負傷、1946(昭和21)年に復員した。1954(昭和29)年から1965(昭和40)まで県立女子短期大学講師。1978(昭和53)年に切り絵作家の故・滝平二郎さんらと「日本きりえ協会」を設立し、県展審査員を務めながら切り絵の普及運動に奔走した。1995年没。

 同展では大正から昭和初期にかけての長崎の風景を描いた作品25点を公開する。長崎県美術館は2015年度に山下さんの作品を収蔵。今年がちょうど生誕100年に当たることから同展を企画した。

 山下さんの次男でバーチャル美術館「山下南風美術館 ~ギャラリーかぜ~」を運営する福田隆一さん(70)は、「切り絵作りが本当に好きだった父の作品には、私もかなり思い入れがある。すでに手元を離れた作品たちだが、多くの皆さんに見ていただければ天国の父もきっと心から喜ぶだろう」と笑顔を見せる。

 開館時間は10時~20時。第2・第4月曜休館(祝日の場合、火曜休館)。観覧料は一般=400円、大学生=300円、小中高生=200円(県内在住の小・中学生は無料)。7月23日まで。

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