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長崎市公会堂近くに「テークアウトの空揚げ専門店」 猫好きの女性、長年の思いが現実化

自慢の「なんこつ」を差し出す山野順子さん

自慢の「なんこつ」を差し出す山野順子さん

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 今年3月末で閉館した長崎市公会堂(長崎市魚の町)近くに5月18日、テークアウトの空揚げ専門店「きっちんはうす やんの」(魚の町、TEL 095-807-6461)が開店した。

山野さんの名刺

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 店主の山野順子さんは、およそ20年前から「弁当店を開きたい」という夢を思い描いていた。開業予定地は長崎市魚の町にある当時営業中の喫茶店。長崎市公会堂のすぐ近くで、老舗菓子店「松翁軒」の裏に位置する。

 山野さんは「いつかこの店が空いたら、ここで弁当店を開く」という明確なイメージがずっと心の中にあったという。

 今年3月末、「もしかしたら、あの店が空いているかもしれない」と突然気になりだした山野さんは、インターネット上の空き店舗情報で「魚の町」の物件を発見する。詳しく調べると待ち続けていた喫茶店が空いたという情報だったが、問い合わせの直前に借り手が決まったという。

 「千載一遇のチャンスを逃してしまった」と悔しがる山野さんだったが、事態はその後に一変する。4月中旬、不動産業者から「借り手の事情でキャンセルされた」と連絡が入り、賃貸借契約を結ぶことができた。

 根っからの「料理好き」の山野さんは、「山野が作ったごはんを食べると元気になる」と友人たちに言われるのが何よりうれしいという。「いつか弁当店を開業したい」という夢も周囲に語り続けてきたが、「一歩を踏み出す勇気がなかった」と自身を振り返る。「およそ20年間思い続けた場所で、まさか本当に開業できるとは思わなかった。友人たちも心から喜んでくれた。ありがたい」とほほ笑む。

 店名の「やんの」は山野をもじったもの。ふっと頭に浮かんだネーミングだったので自信はなかったが、家族の誰もが「その名前が一番いい」と太鼓判を押した。

 偶然再会した知人からは、仲が良かった昔の友人が女性デザイナーとして活躍しているという情報も。女性デザイナーは猫好きの山野さんのために「猫のキャラクターデザイン」を提供。山野さんは「思い切って踏み出した途端、不思議なくらい引き寄せられてきた」と話す。

 空揚げにはにんにくを使用することが多いが、同店の空揚げには使用していないという。「にんにくを使わないので、あっさり味。ほかの空揚げは2個くらいしか食べない姉が、7個も8個も食べるのでうれしくなる」と山野さん。空揚げに使用する鶏肉と弁当のごはんに使うコメは国内産にこだわったという。

 「実は唯一の悩みは極端な人見知り。人が大好きなくせに、初対面の人には緊張してしまう。外見からはわからないらしいが、内心は一人で大パニック。少しずつ慣れるので、どうか大目に見てほしい」とも。

 同店の営業時間帯は11時~15時と、17時~19時の2回。メーンメニューの「空揚げ」は1個70円で提供する。ランチの時間帯(11時~15時)は2種類の「空揚げ弁当」を販売。「日替わり弁当」(400円)と大中小それぞれのサイズの弁当を用意する。

 夕方(17時~19時)の一押しメニューは「なんこつ」(100グラム=150円)。鶏のひざ軟骨を企業秘密のたれにじっくり漬け込んで味付けしている。「塩味の加減やコリコリした食感で、ついつい手が止まらなくなる。お父さんのビールのつまみに最高」と自信を見せる山野さん。猫を描いた小さな旗が付いた「つまようじ」が添えられており、女性客から「かわいい」という声も。

 そのほかのメニューは「コロッケ」「ポテト」(以上100円)、「砂ずり」(100グラム=150円)など。

 同店の情報はツイッター(@yanno2015518)で随時公開する予定。

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