長崎の曹洞宗寺院「晧台寺」(こうたいじ、長崎市寺町)で12月25日、アフロヘアのシスター姿で歌う女性ユニット「BB’s(ビービーズ)」がクリスマス・ゴスペルコンサートを開催する。
1608年に長崎の風頭山麓に創建され、現在地に移転した同寺院。1642年に住持(住職)の一庭融頓が将軍・徳川家光や明正天皇への謁見(えっけん)を許され、天皇から現在の山号と寺号(海雲山普昭晧台禅寺)を下賜された。
「BB’s」は長崎市在住の小泉容子さんと山口純子さんが結成した女声ボーカルユニット。正式名称は「歌う魔よけBB’s」。由来は「ばばあ、だから」と小泉さん。今から7年前に知り合った二人は、今年9月29日にプロとして初の単独ライブを長崎市内で開いた。
「どちらも3人の子どもを持つ母親という共通点もあり意気投合した」という山口さん。子育てが一段落して「何かをやりたい」と思っていた山口さんと「小さいころから歌が大好きでいつも歌っていた」小泉さんは2012年のクリスマス、長崎市中心部の路上で仲間も巻き込み、シスター姿で歌って練り歩いた。その後もクリスマスのゲリラライブを続けるうち、お互いに「仕事としてもっと歌いたい」との気持ちが少しずつ芽生えたという。
アフロヘアにシスター姿のスタイルは、1992年公開の米国映画「天使にラブソングを」が原点。二人とも劇中のゴスペルに魅了され、アメリカのソウル歌手・アレサ・フランクリンに傾倒したという。「うまくなるまで待っていたら何も進まない。やらずに後悔するより、やって反省する方がいい」と昨年12月から毎月1回、「ハマクロス411」(浜町)前で路上ライブを行っている。今年4月からはプロとして報酬を得るイベントなどの仕事を引き受けるようになった。
昨年4月から「もう一つの夢」だった農業にも取り組む山口さんは「私たちがプロなんておこがましい。悩みに悩んだ答えが『それでも歌いたい』だった」とほほ笑む。心理セラピストとして活躍する小泉さんも「おこがましい気持ちは同じ。でも歌いたい気持ちも同じ」と振り返る。今では長崎だけでなく県外からも出演依頼が来たり、「歌声を聞いて人生が変わった」などの感想をもらったりすることも多いという。
晧台寺でのコンサートは、同寺院の檀家(だんか)でもある小泉さんが「恐る恐る」打診した所、「ぜひやりましょう」と快諾を得た。小泉さんは「かつて長崎でキリスト教が広がった時代には神社仏閣が破壊され仏像が焼かれた。禁教時代は逆にキリシタンが弾圧を受け、拷問や財産を没収された。今では仏教もキリスト教も神道も、宗教宗派の違いを超えて平和に暮らしている。そんな平和な長崎を象徴するコンサートを通じて、世界に平和をアピールしたい」と意気込む。
山口さんは「気づけばアラフィフ。人生は長いようで短い。もう、やるっきゃない」とも。
18時開場、18時30分開演。料金は前売り=1,500円(当日=2,000円)。問い合わせはホームページまで。