長崎市南山手の斜面地にある古民家を改装したオープンスペース「つくる邸」(長崎市南山手町)で1月9日の夕方から翌10日の朝まで、ちゃぶ台を囲んでフリートークを楽しむ「ちゃぶ台ミーティング」が開かれる。
同イベントの会場となる古民家は、築70年ほど経過した空き家だったが「斜面地・空き家活用団体つくる」が所有者の理解と協力を得て再生リフォームを実施した。2014年6月から同団体のメンバーらが居住するとともに、オープンスペースとしてさまざまなイベントに活用されている。
ちゃぶ台(卓袱台)とは、1887(明治20)年ごろから1960(昭和35)年ごろまで日本で広く普及していた四本脚の食事用座卓。円形や楕円(だえん)形、正方形、長方形などのタイプがあるが、一般的には円形のイメージが強い。手軽に使えて「上座、下座」という上下関係を感じさせないことから、当時の「家族だんらん」を象徴するシンボルとして取り上げられる。現在では利用する家庭はほとんどない。
「つくる」メンバーの岩本諭さんは3人いる主催者の一人。「銭湯に行き、ちゃぶ台を囲み、鍋を食べて語り合う。ちゃぶ台ミーティングは途中からの参加もオーケー。気軽に立ち寄ってほしい」と呼び掛ける。歯科医師の原田創さんと、被爆3世で「サラリーマン平和大使」を名乗る会社員・安永年軌さんが、岩本さんとともに主催する。
同イベントでの岩本さんの役割は「まちづくりファシリテーター」。3人は「本音で語る場所が欲しい。そういう雰囲気を作りたい」という共通の思いで企画を練り上げた。
9日18時から大浦町の銭湯「日栄湯」で入浴した後、食材の買い出しへ。19時から鍋を囲みながらミーティング開始。21時50分ごろから原田さんが「歯磨き教室」を行う。就寝予定時刻は22時。「好きな子の話をしながら眠ろう」とも。翌8時に起床して「日本の朝食」を堪能した後、10時に解散する予定。
「何が起こるか分からないし、何を話すかも分からない。あるのは丸いちゃぶ台とおいしい料理、そして人」とフェイスブックのイベントページで説明する。
参加費は2,000円(学生=1,500円、鍋・朝食付き)。「銭湯」「鍋」「朝食」など好きなタイミングで参加できる(割引なし)。宿泊者には布団を用意する(数に限りあり)。詳しくはフェイスブックで確認できる。