![松井友美さん。ポスターは後輩の手作り](https://images.keizai.biz/nagasaki_keizai/headline/1458154834_photo.jpg)
旧香港上海銀行長崎支店記念館(長崎市松が枝町、通称=ホンシャン)多目的ホールで3月23日、長崎大学医学部の女子学生が卒業記念コンサートを開催する。
自身の卒業記念コンサートを主催するのは、京都府出身の同大医学部6年・松井友美さん。松井さんが同大を受験したきっかけは、母・夕里子さんの後押し。
「私自身、長崎県北部の島・小値賀町にある教会の美しさに魅了され、長崎に住みたくて仕方なかった。それを知った母が遠く離れているにもかかわらず『長崎大学医学部を受験したら』と後押ししてくれた」と話す。夕里子さん自身も長崎が大好きだという。
医学部室内合奏団に所属する松井さんは「長崎を離れる前に『これまで長崎で出会った方々に感謝の気持ちを伝えたい』と考えていた。私にできることで一番喜んでもらえるのは、やはり音楽しかない」と卒業記念コンサートを企画した。「1年生の時、定期演奏会で初めてホンシャンを訪れた。こんなに美しくて歴史的に価値ある建物を、広く一般市民に開放している長崎の懐の深さに感動した」と振り返る。松井さんは「いつかコンサートする時は、絶対にここを会場にすると決めていた」と力を込める。
「学生生活はつらいこともたくさんあったが、長崎で出会った人たちに支えていただいたおかげで乗り越えることができた。感謝の気持ちでいっぱい」とも。合奏団の後輩たちと「別れる前に、もっと合奏したい」と思った松井さんが有志を募ったところ、想像以上に多くの人たちが参加した。「私は本当に幸せ者」とほほ笑む松井さんの内定先は福岡市内の病院。コンサートではバイオリンを演奏する。
「仲間たちが春休み返上で練習に励んでいる。本番では有名な映画音楽から、後輩たちが才能を発揮できるクラシックまで幅広い楽曲を用意している。学生最後のコンサートを素晴らしい仲間たちとともに開催できることを心から光栄に思う。平日の夕方だが、気軽に来てほしい」と呼び掛ける。
18時開場、18時30分開演。入場無料。