長崎港口にある女神大橋で7月21日と8月31日、通常は部外者立ち入り禁止の桁下から大型客船を見下ろす夏休み特別企画「女神大橋クルーズ船親子さるく」が開催される。
女神大橋はそれまで分断されていた長崎市南部と西部を結ぶランドマーク。慢性化した交通渋滞の緩和と物流の効率化を図るため、1994(平成6)年に着工し、2005(平成17)年12月11日から供用された斜張橋。2010年からは長崎自動車道(高速道路)と接続され「ながさき女神大橋道路」(普通車=100円)として長崎県道路公社が管理する有料道路でもある。長崎港の港口に位置し、大型客船が入出港することを考慮して海面から桁下まで約65メートルという非常に高い位置にある。
昨年初め、県道路建設課企画幹線班の福田雅彦さんらが街歩きイベント「長崎さるく」に着目した。「私たちは見慣れた景色だが、立ち入ることができない一般の人には未知の世界。絶景ポイントもあるので、安全に一般公開することができれば観光資源の一つとして役立つのでは」というアイデアが会議で飛び出したという。福田さんらは「長崎さるく」の企画・運営を長年手掛けるNPO法人「長崎の風」代表の黒田雄彦さんに相談し、昨年5月に体験型観光イベント「女神大橋さるく」を初開催。受け付け開始からわずか6時間で定員80人は満員となった。
今回のテーマは「親子で豪華客船を女神大橋から見下ろそう」。橋の上からでは死角となる「見下ろす」迫力を桁下から体験しようというもの。黒田さんは「大型客船が女神大橋をくぐり抜ける時に思わず手が届きそうになる迫力は、写真ではなかなか伝わらない。きっと一生忘れられない夏休みの親子体験になると思う」とほほ笑む。
7月21日8時30分~10時と、8月31日16時30分~18時の2回開催し、1回目は「マリナー・オブ・ザ・シーズ」(約13.8万トン)の入港を迎え、2回目は「クァンタム・オブ・ザ・シーズ」(約16.9万トン)の出港を見送る。参加者は女神大橋戸町側駐車場に集合し、主塔入口部から桁下部へ移動。開催中は「長崎の風」スタッフと県道路建設課職員が講師として随行する。
参加資格は小学校5年生または6年生の児童とその保護者(20歳以上の成人の同伴者)の親子2人組。安全確保のため「単身(独力)で階段昇降が困難」「高所恐怖症、または閉所恐怖症」「スタッフの指示を守れない」などに該当する場合は参加を断られることがある。
参加費は1,000円(1組=親子2人)。定員は各回10組20人(申し込み多数の場合は抽選)。「長崎さるく」のホームページから予約するか長崎観光コンベンション協会(TEL 095-811-0369)に電話で申し込む。締め切りはそれぞれ7月18日17時まで(7月21日開催分)と、8月24日17時まで(8月31日開催分)。