長崎・大浦諏訪神社で仏教徒歌手がゴスペル奉納 宗派超え平和祈る

浜町アーケードで歌う小泉さん(右)

浜町アーケードで歌う小泉さん(右)

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 大浦諏訪神社(長崎市相生町)で12月23日、長崎を拠点に活躍する仏教徒のゴスペル歌手「歌う魔よけBB’s(ビービーズ)」がゴスペルを奉納し、宗派を超えて平和を祈る。

「お寺でクリスマス」の出演者ら

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 同神社のすぐ隣に国宝「大浦天主堂」が立ち、斜め向かいには仏教寺院「妙行寺」がある。わずか100メートルほどの距離に神道、キリスト教、仏教の各施設が集まるこの場所は「祈りのトライアングルゾーン」とも呼ばれており、「歌う魔よけBB’s」こと小泉容子さんは「ゴスペル奉納の場所として意義がある」と話す。

 小泉さんは浦上キリシタンの子孫だが自身は仏教徒。大浦天主堂は1865年3月17日、禁教令下の浦上で潜伏していたキリシタンのうち、数人が赴任したフランス人神父「ベルナール・プティジャン」の下に命懸けで集まり、信徒であることを神父に告白した事件「信徒発見」の舞台となった。フランス人の信仰のために建てられた大浦天主堂は当時、「フランス寺」と呼ばれていた。珍しい西洋風の建物を見ようと多くの日本人見物客が訪れていたが、浦上のキリシタンたちは客の中に紛れ込んで神父に近づいたという。

 2012年12月22日、シスターに扮(ふん)した小泉さんと友人らが総勢10人で突然路上に現れ、ゴスペルを歌って逃げるというゲリラライブを初開催。翌年から小泉さんはアフロヘアに変え、その後も年末の恒例行事になっている。初ライブをきっかけに歌うことに目覚めた小泉さんは、練習を重ねて現在の活動を開始。これまでにも福島県の仮設住宅でのゴスペルコンサートや、仏教寺院の晧台寺(こうたいじ。寺町)本堂で「お寺でクリスマス」と題してクリスマスコンサートを開いている。

 大浦諏訪神社のゴスペル奉納は11時ごろ、14時ごろから長崎市内中心部の浜町アーケードで路上ライブを予定する。小泉さんが教えるゴスペルクラスの生徒らの一部も「アフロシンガーズ」として参加する。

 小泉さんのゴスペルクラスに通う村上由貴さんは「歌うことで、こんなに開放的な気持ちになれるとは知らなかった」とほほ笑む。

 レッスン中の声出しでは「自分が好きなように声を出して歌う」ことを初めて学んだという。「音楽は自分が考えていたより、もっと自由で楽しいものだと感じた」とも。

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