長崎の万屋町通り(長崎市万屋町)で3月20日、「万屋ペイントプロジェクト」完成報告会が行われた。長崎くんちの踊町である万屋町の演目「鯨の潮吹き」をテーマに、長崎大学とメトロコンピューターカレッジの学生3グループがシャッターに絵を描いた。
昨年11月末、長崎浜市万屋通り商店街振興組合NPO法人「まちづくり屋」の共催で始動した同プロジェクト。主催者から提供された資料や地域の人から聞いた長崎くんちの話を参考に学生たちがデザイン画の作成を行い、3月初旬からペイント作業に取りかかった。
長崎大学のグループは「万屋町クリーンステーション」に「船頭船」のデザインを、メトロコンピューターカレッジのグループは「浜の町ビル裏(旧永尾の靴店)」と「きもの処ふかまち隣接店舗」のシャッターに「鯨の潮吹き」の絵を、それぞれ描いた。
デザインを担当した長崎大学教育学部1年の寺内亜衣さんは「船頭船の写真が少なく細かいところがよくわからず困った」としながらも、ポップな色使いで勢いがある絵を描き上げた。メトロコンピューターカレッジ1年のPCデザインクリエーター科の川上龍一さんは「パソコンは画面ですぐに修正できるがペンキは失敗すると手直しが大変。グラデーションの表現が難しかった」と苦労をにじませた。同校同科1年の内田明日香さんは「女子チームで根曳衆(ねびきしゅう)の一人一人にこだわって描いた。屋外は思ったより寒かったが頑張った」と作業を振り返る。
ペイント作業の際は、雨で作業が遅れることもあったが、同校の教師や同級生、卒業生、万屋町周辺の人から激励の声や差し入れがあり力になったという。「万屋町通りを通る人から少しでも『すごいね』と思っていただければ描いたかいがあったと思う」と学生たちは口をそろえる。
長崎浜市万屋通り商店街振興組合の光富英造理事長は「長崎の文化がシャッターを通して道を歩く人に伝わり、地域の発展と活性化につながればうれしい」と完成した絵を前に目を細めた。