買う

長崎「軍艦島」がフィギュアに-世界遺産目指すNPO活動10周年で

約2700分の1スケールの軍艦島フィギュア

約2700分の1スケールの軍艦島フィギュア

  • 0

  •  

 NPO法人「軍艦島を世界遺産にする会」(長崎市万屋町、TEL 095-895-9800)が活動10周年を記念して、約2700分の1スケールの軍艦島フィギュア限定200個を企画、7月から販売している。

フィギュアを手にする坂本理事長

[広告]

 フィギュアは実際の色彩とは異なり、1916(大正5)年、日本初の鉄筋コンクリート7階建ての30号棟などを緑に塗り、カラフルに仕上げたのが特徴。炭鉱のシンボル、竪坑やドルフィン桟橋に加え、白波に軍艦島が浮かぶ姿など、軍艦島の存在感を伝えるデザインとなっている。「島全体をグレーでくすんだ色にするより、フィギュアとして当時のにぎわいをイメージしてもらえれば」と同会の坂本道徳理事長。

 坂本さんは1966(昭和41)年、小学6年生で「軍艦島」こと端島に移住。1974(昭和49)年の閉山時まで過ごし、石炭から石油へとエネルギー革命を実感しながら青春時代を過ごした。端島は閉山と同時に一般への上陸は禁止され、建物などもそのままの状態で無人島となった。林立するアパート群は台風や雨風にさらされ、廃虚の島となる。「このまま放置されれば故郷がなくなってしまう」との思いで坂本さんら元島民の気持ちが発端となり、10年前に同会を発足。日本を支えた炭鉱社会の先駆けとして写真展や講演活動を続け、2009年には世界遺産暫定リスト「九州・山口の近代化産業遺産群」に掲載され、同年には所有する長崎市が上陸ツアーも解禁。ながさき地域政策研究所によると、その経済効果は3年間で約65億円に上がった。

 上陸ツアー客のガイドを務めながら当時のにぎわいと伝えてきた坂本さんは「わずか約1.2キロメートルの空間に、最盛期約5000人が住んでいた。今の姿を見るだけではその面影すら感じることは難しいと思う。でも廃虚という面だけでなく、その歴史と端島が日本に果たした役割を知ってほしい」と話す。

 フィギュアは、サイズが左右約186ミリ、上下77ミリ、高さ40ミリ、重さ約480グラム。
価格は5,900円。ウェブサイト「軍艦島を世界遺産にする会公認グッズ通販サイト」で販売。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース