長崎電気軌道が4月1日、スマートフォンで購入できる「モバイル一日乗車券」を発売した。

　長崎市内では、路面電車が一日乗り放題になる「一日乗車券」を観光客が利用するケースが非常に多い。現在の紙の一日乗車券は指定された券売所で購入しなければならず、以前から電車内での販売を望む声が同社に寄せられていた。「他社には車内販売に対応するところもあるので、当社としても何とか対応したい気持ちは以前からあった。しかし長崎は観光客の利用が非常に多く、運転手一人でそれらに対応するのは非常に厳しい。社内でも安全運行の確保と利用者の利便性向上とのジレンマに長年悩んでいた。そこで、最近普及が進んでいるスマートフォンなどのモバイル端末をうまく利用できないかと、専門家の力を借りて1年ほど前から取り組んできた」と同社企画室の泊さんは振り返る。

　同乗車券はアンドロイド端末専用に用意された無料のアプリをダウンロードして購入する仕組み。アプリを使って乗車券を購入した後、表示される画面を降車の際に運転手に提示する。料金は、大人＝520円、小児（小学生）＝260円。紙の一日乗車券との差額はモバイル発券手数料。1回の手続きで大人5人、小児5人まで同時に購入できる。代金はクレジットカード払い、または携帯電話代と合わせて支払う仕組み。

　「従来は一人一人が紙の乗車券を持って降りる必要があったが、複数分を一つの端末で同時購入できるようになったことで、家族旅行のような場合には非常に便利だと思う。アンドロイド端末を持っている方は、ぜひ利用してみてほしい。利用状況を見ながら今後も改善に取り組みたい」という。