大村湾漁業協同組合(時津町)は10月30日、長与港であやめ幼稚園(長与町)の園児らとナマコの稚苗3万匹を海に放流する。
同漁協は、ナマコの加工作業に従事する女性らの肌がすべすべしていることにヒントを得て開発した「黒なまこの石けん」を5年前に発売。通信販売による口コミなどを通じて全国に愛用者が広がり、今年9月には販売15万個を突破した。同漁協では収益の一部を海へ還元することで持続可能な自然サイクルの構築を目指し、佐世保水産センター協力の下、同園の園児らとともに組合員らが大村湾へナマコの稚苗3万匹を放流する。
同漁協担当者は「思わぬところから扱っていたナマコが食用以外にも優れた効能があることを知り、多くの人の力を借りて2年かけてせっけんを開発した。ナマコはある程度漁をしないと、大きいナマコが小さいナマコの餌を横取りするため増えなくなる。乱獲防止を心掛けて漁をしながら、皆さんに頂いた利益の一部を稚苗の放流という『海への恩返し』で還元させてもらいたい」と話す。放流は網で7~8センチの袋に稚苗を数匹ずつ入れたものを一つずつかき殻に添えて漁船で海に運び、かき殻と一緒に海中につるして中間育成するという。
12時ごろ、稚苗が会場となる大村湾観光汽船の高速船待合所(長与町)に到着。13時ごろから会場内で組合員らがかき殻に稚苗を添える作業を開始。14時30分ごろ、園児らとともに1回目の出港と見学クルーズ(無料)を行う予定。問い合わせは担当の内藤さん(TEL 0120-417-705)まで。