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長崎ランタンフェスタで「ペコロス岡野」が皇帝に-映画賞で三冠

映画の製作発表会で「寺町坊譚」を披露する岡野さん

映画の製作発表会で「寺町坊譚」を披露する岡野さん

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 1月31日~2月14日に開かれる「長崎ランタンフェスティバル」の皇帝パレードで、漫画家・シンガー・ソングライターの岡野雄一さん(長崎市在住)が皇帝役を務めることが決まった。

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 岡野さんは1950(昭和25)年長崎市生まれ。2012年1月、これまで広報誌などに認知症の母親とのやりとりをコツコツと描き続けてきたコミカルな4コマ・8コマ漫画をまとめ「ペコロスの母に会いに行く」と題して自費出版したところ、ネットや口コミを通じて人気に火が付いた。後に西日本新聞社から再編集されて商業出版化。現在では20万部を超えるベストセラーになっている。岡野さんは同作品で第42回・日本漫画家協会賞優秀賞を受賞した。

 漫画の広がりと平行して同名映画の製作が進行。完成した映画が昨年11月16日から年末にかけて全国公開され、「第37回・山路ふみ子映画賞」の福祉賞受賞を皮切りに、「第35回・ヨコハマ映画祭」で監督賞・撮影賞とベストテン3位を、「第87回・キネマ旬報ベスト・テン」「映画芸術・日本映画ベストテン」でそれぞれ1位を、今月17日に発表された「第28回・高崎映画祭」では最優秀作品賞のほか、主役の母・みつえを演じた赤木春恵さんが最優秀主演女優賞を、若き日のみつえを演じた原田貴和子さんが最優秀助演女優賞を、それぞれ受賞。作品賞としては三冠を達成した。

 漫画家のほか地元ではシンガー・ソングライターとしても活躍する岡野さん。映画の全国公開に先立ち、劇中のライブシーンで主人公「ゆういち」が長崎弁で歌うオリジナル曲「寺町坊譚(てらまちぼんたん)」「どんげんでんなる」の2曲を収録したサウンドトラックCDをベルウッドレコードからリリース。同CD 製作には井上陽水さんの「氷の世界」などのプロデュースを手掛けた星勝さんらが携わった。これらの曲は有線放送で流され、収録曲のリストに入っているカラオケ店もある。

 同フェスタ実行委員会によると、湊公園(長崎市新地町)など7会場に色とりどりのランタン約1万5000個が飾られる。劇中では同フェスタ開催中の眼鏡橋の上が最大のクライマックスシーンであることから、映画がきっかけとなって県外からの観光客が増えることも見込まれ、94万人の動員を見込む。ユナイテッドシネマ長崎(尾上町)は会期中の2月8日から同作品を再上映する。

 毎年、話題の人物が皇帝役を務める皇帝パレード。2007年は歌手の美川憲一さん、2010年は大河ドラマ「龍馬伝」で龍馬の子役を演じた濱田龍臣さん、昨年は俳優の金子昇さんが、それぞれ務めた。今年のパレードは2月1日と8日の14時、蒸気機関車がある公園として知られる中央公園会場(賑町)を出発。ゆっくりと築町商店街を抜けて鉄橋を通り浜市アーケードへ。その後、鍛冶市商店街からアルコア中通りを抜けて諏訪小学校、ベルナード観光通りを通過。電車通りを横断して銅座観光通り経由で終点の湊公園会場へ向かう。到着予定は16時30分。岡野さんは1日の皇帝役を務め、8日は俳優で画家の片岡鶴太郎さんが務める。恒例の媽祖(まそ)行列は2月2日・9日の14時~17時20分を予定する。

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