長崎県庁そばのシェアオフィスで6月から平日の昼休み時間帯限定で「ワンコイン英会話講座」が開かれている。
同講座を提供するのは英会話教室「オフェリア・インターナショナル」(長崎市江戸町)。講座はビルの5階にあるシェアオフィスの商談室の一部を利用して開講時間だけ開かれるもので、英会話専用の建物や部屋は存在しない。受講生は火曜~金曜の平日11時~13時のうち、事前に予約した約20分間だけ1回当たりワンコイン(500円)で英会話の授業が受けられる。月曜は定休。授業はテキストではなく、ネイティブ講師とのフリートーク。テキストに頼らない英会話を毎日続けることでヒアリング能力はもちろん、日本人が特に弱い「発話力」を徹底的に鍛えることを目指すという。
「1時間の授業を週に1回みっちりやるより、20分でもいいので毎日続けることが実力アップにつながる」と、関口良嗣代表。関口さんは生まれてから中学3年生まで長崎で過ごしたが、ある新聞記事をきっかけに英語に興味を持ち、両親を説得して多国籍の生徒が集まる神戸のインターナショナルスクール(高等学校に相当)に進学。「とても厳しいけれど、英語漬けの毎日がたまらなく幸せだった。さらに英語の中で過ごす環境を求め続けた」という関口さんはアメリカの大学を卒業。帰国して都市部の保険会社や商社などに勤務した後、2002年に長崎へ帰郷した。帰郷後は私塾などで英語を教えている。
「英語を自由に使えれば世界が変わる。この感動をもっとさまざまな人と分かち合いたい。現在の仕事を続けながら少ない資金で別に教室が開けないかと考えていたところ、シェアオフィスの存在を知った。運営者に事情を説明して利用できないか相談した」という。同オフィスを運営する一ノ瀬恵介さんは「最初は驚いたが平日は正午前後の商談室利用者が少ない。関口先生が昼休みに利用したいという話と利害が一致したので、商談室の一部を活用してもらうようにした」と振り返る。
「一ノ瀬社長にはとても協力してもらった。講師も知人の中からユニークな実力派をそろえた。きっと満足してもらえると思う」と関口さん。講師陣にはマーケティングで学位を取得したフィリピン人講師やヒングリッシュ(インド英語のことで、アメリカ英語の次に話す人口が多い)スピーカーのバングラディシュ人講師、文法を英語で教えるアメリカ人講師、ホテル業界に詳しい日本人講師や、元大手企業の役員秘書で経済番組のキャスターの経歴を持つ講師など、ユニークな人たちが多い。
関口さんは「通常は会社の終業後に通うスタイルが多いと思うが、仕事の都合でなかなか続けられない場合が多い。昼休み時間帯なのでサンドイッチやおにぎりの持ち込みもできるようにした。昼食を取りながらフリートークを毎日続ければ、自然な会話が身に付く。日本語は禁止だが、日本人スタッフが巡回サポートするので安心してほしい」と力を込める。
事前にチケットを購入する仕組みで、料金は12枚つづり=5,940円。有効期間は購入後3カ月。同教室ではほかにも、金曜の18時~21時に開く「レディース英会話」や、日曜午後の「サンデーアフタヌーン英会話」などTPOに応じてさまざまなコースを用意する。詳しくはホームページで確認できる。