長崎の書道スタジオ「スタート」(長崎市中町)で1月1日~4日、「書き初め大会」が開かれ、約350人が思い思いに書き初めを楽しんだ。
2013年2月にオープンした同店。初めて「書き初め大会」を開いた昨年は5日間で280人ほどが参加した。最終日となる4日は、10時の開始時刻から続々と受け付けに人が並んだ。
長崎市内に住む毎熊正剛さんは小学3年の日那さん、妻の美佳さんと参加。家族そろって「楽しい」と書き初めを行い、手持ちのスマホで家族の記念撮影を楽しんだ。美佳さんは撮影前、「夫が最初に書いた本当の『書き初め』はこちら」と、「漁夫の利」と書かれた半紙を周囲に見せて苦笑い。周りの笑い声に正剛さんは照れ笑いで応じた。日那さんは「学校で習字を習い始めたばかり。家族みんなで書くと本当に楽しい」と笑顔を見せていた。
雲仙市から訪れた幼稚園児を連れた家族は、4日のゲスト「侍アーチスト・進之助」さんに長男の「似顔絵詩」を依頼。「アーチスト」は、人と人との架け橋「アーチ」になるという意味。似顔絵詩とは、依頼者の似顔絵に名前を分解したひらがなを頭文字とする即興の詩を添える有料サービス。両親は長男そっくりに出来上がった似顔絵に驚きながら、進之助さんが語る即興詩の説明に聞き入った。「昨年参加して楽しかったので、また来た。息子の思い出にもなる」と振り返った。
焙煎(ばいせん)コーヒーを販売する「カリオモンズ・コーヒーロースター」の出店コーナーには次々にオーダーが入った。「出来上がりまで5分ほどかかりますが、よろしいですか」。店主の伊藤ヒロユキさんが用意したコーヒーは、15時ごろには全て売り切れた。2010年9月、伊藤さんが「カブトムシになりきってる息子」(ママ)と題してツイッターに何気なく投稿した長男「音人(おと)」くん(当時3歳)の写真が数日で3万アクセスを超えるほど話題になり、同年5月にオープンしたばかりの店の宣伝に大きく役立った。書き初め大会に参加した音人くんは現在、小学1年生。伊藤さんによると、今でも興味の対象はカブトムシやクワガタ。音人くんは伊藤さん夫婦が見守る中、半紙いっぱいに「カブトムシ」の絵を書き初めした。
大会終了後、店主の福山嘉人さんは「今年は元日におよそ60人、2日にも70人以上参加してもらった。3日も4日も100人を超えた。書道を楽しむ人が増えて本当にうれしい」と笑顔を見せる。