長崎市南部エリアの音楽フェスティバル「七歌祭(ナナフェス)」が昨年に続き今年も開催された。
《ライブ終了後の記念写真》
9月28日・29日に伊王島ふれあい広場(長崎市伊王島町1)で開催された同イベントは、2005(平成17)年から2016(平成28)年にかけて毎年行われてきた「五活祭」をルーツに2019年に「五歌祭(ごかっさい)」として復活。コロナ禍での中断を挟み、2023年に「七歌祭」としてリニューアルしたもの。昨年は長崎のもざき恐竜パーク(野母町)で行われた同イベント。イベント本来の趣旨である南部7地区(野母崎、三和、香焼、深堀、土井首、高島、伊王島)を盛り上げるため、開催地を移し、伊王島での開催となった。
《ミーティングの様子》
イベントの開催に向けて月に数回集まり、ミーティングを行ってきた各地区の実行委員会のメンバーら。今回は伊王島での開催となったが、伊王島だけではなく、他の地区の実行委員も企画・運営を行うことが、ナナフェス実行委員会の特徴。
《小峰さん(伊王島)》
昨年から実行委員に参加し、今年は地元・伊王島開催となったことから中心となって活動する小峰雅司さんは飲食店を経営しながら、漁師としても活動。飲食店店主として「地元の飲食店にもイベントに参加して盛り上がってほしい」と飲食ブースを約100店舗が集まるマルシェイベント「ばりうまグルメフェス」に拡大。初の2日開催にも挑戦することを決めた。
《安達さん(野母崎)》
野母崎の安達考紀さんは、長崎のもざき恐竜パークの所長としてイベントの運営に携わり、同イベントも2年間地元で開催してきた経験を生かして今年は小峰さんらのサポート役に回り、当日はMCとしてイベントを盛り上げた。安達さんは「持ち回り開催することで各地区にイベントの企画運営ができる人材を育成する『人づくり』も目標にしている。地域でのイベント開催につながり、地域レベルでの魅力発信が活発になればより活性化につながっていく」と話す。
《NiNiさん(高島)》
高島を拠点に音楽活動を行うRAINBOW MUSICのリーダー、NiNiさんは約11年前に島に移住。もともとは東北~関東圏で音楽活動をしていたが、「ライブで訪れたことがきっかけで気さくに声をかけてくれる九州の人柄にほれ込んだ」という。「船に乗らないと帰れない不自由さに逆に魅力を感じ、高島に移住を決めた」と振り返る。
地域を盛り上げる音楽活動の一環として「長崎市南部エリアを巻き込んだ音楽イベントがしたい」と考えていたところ、商工会青年部として活動する深堀陽水さんと出会った。市町村合併を機にスタートした「五活祭」をルーツに音楽フェスとしての復活に取り組み、出演者としてもイベントを盛り上げている。
《深堀さん(香焼)》
イベントの発起人として実行委員長を務める深堀さんは「長崎市南部地区ならではの音楽フェスとして南部7地区の魅力が詰まったイベントを目指してきた」と振り返る。「ナナフェスで出来たつながりを活かして、1つの町ではなく、南部全体の力として魅力を発信するきっかけにしていきたい」と語る。
《伊場さん(三和)》
5年ほど前に務めていた介護施設を退職し、独立したことがきっかけで商工会に入ったことからイベントの実行委員会に誘われたという三和町の伊場亨さん。「7地区のつながりを活かして、長崎市南部に関わる人を増やし、盛り上げていきたい」と意気込む。
《江頭さん(土井首)》
昨年から実行委員会に参加している土井首の江頭陽子さんは「土井首地区コミュニティ協議会として地元の祭りなどは行ってきたが、他の地区と一緒にイベントをすることはなかった」と話す。実行委員会として南部のメンバーとのつながりを持てたことから「つながり深めて一緒に地域を盛り上げたい」と意気込む。
《岩崎さん(深堀)》
創業120年以上の歴史を誇る「岩崎蒲鉾(かまぼこ)」(深堀町)の岩崎亮一さんも「深堀ふれあい祭りやくんちなど深堀地区だけのイベントはあったが、他の地域とのつながりはなかった」と振り返る。「深堀を活気あるまちにしたい」と話す岩崎さん。「住んでいる人も楽しめるこのイベントを地元でも開催したい」と意気込む。
【イベント1日目の様子】
《青潮学園ブラスバンドの演奏》
当日は青潮学園ブラスバンドなど地域住民のステージで開幕。「どいノンズ」や「TEAM Monster」などのダンスチームが会場を盛り上げた。
《どいノンズのステージ》
《ラムネ早飲み大会の様子》
参加型イベントとして恒例のラムネ早飲み大会や激辛四川麻婆(マーボー)豆腐早食い大会には多くの人が参加し、会場を沸かせた。
《激辛四川麻婆豆腐早食い大会の様子》
野母崎の永遠の非公式キャラクター「水仙マン」も出演し、パフォーマンスで会場を盛り上げた。
《水仙マンによるパフォーマンス》
高島伊王島アイランド合唱団も登場し、合唱を披露した。
《高島伊王島アイランド合唱団のステージ》
どりいまあずの2人が登場すると合言葉の「乾杯」とともに会場を盛り上げ、1人目のスペシャルゲストとなるシンガーソングライター・HIPPYさんにバトンをつないだ。
《どりいまあずのライブ》
HIPPYさんが登場すると代表曲「君に捧(ささ)げる応援歌」などを披露。タオルを回しながら会場を盛り上げた。
《HIPPYさんのライブ》
三和町出身で現在は東京を中心に活動する歌手のCozueさんはハスキーな歌声に乗せて、語りかけるような強いメッセージ性の歌詞で観客を魅了した。
《Cozueさんのライブ》
高島在住の「RAINBOW MUSIC」はアップテンポナンバーで会場がさらにヒートアップさせた。
《RAINBOW MUSICのライブ》
スペシャルゲストでトリを務めるTEEさんが登場すると会場は大きく沸き、タオルを回しながら会場は大きく盛り上がった。
《TEEさんのライブ》
フィナーレでは会場が約2000個のイルミネーションバルーンで彩られ、幻想的な雰囲気が広がった。
《イルミネーションバルーンに彩られた会場》
再びTEEさんが登場するとRAINBOW MUSICのnoncoさんとシンガー・ソングライター岩佐一成さんもステージに上がり、一夜限りのスペシャルユニットとして平和への祈りを込めた「Don't cry HIROSIMA NAGASAKI」を歌い上げた。