長崎ケーブルメディア(以下NCM、長崎市筑後町)は9月19日、昨年8月に長崎ブリックホール(茂里町)で上演され、好評のため今年7月30日・31日に再上演された市民ミュージカル「赤い花の記憶 天主堂物語」を放送する。
同公演は、旧大浦天主堂(長崎市南山手町)の建設を巡る人びとの対立や交流を、450年に及ぶキリスト教の歴史を背景にオムニバス形式で描いたミュージカル。長崎在住の作家・小川内清孝さんが脚本を担当し、2014年に大村市や南島原市、天草市で初上演され、昨年の長崎ブリックホールでの上演につながった。
物語は1863年、フランス人神父・プチジャンが長崎に赴任するところから始まる。当時、「フランス寺」と呼ばれた木造建築物・旧大浦天主堂の建設を巡り、プチジャン神父と天草出身の大工棟梁(とうりょう)・小山秀之進との対立や交流を軸に描く。大工の娘と弟子との恋物語や島原の乱、二十六聖人の受難、信徒発見、浦上四番崩れなど、日本のキリスト教450年の史実と、演出されたさまざまなエピソードが交錯しながら物語が展開する。
熊本県天草市出身で「カノッサの屈辱」「料理の鉄人」などのテレビ番組構成、映画「おくりびと」(2008年)などの脚本のほか、熊本県PRマスコットキャラクター「くまモン」のプロデュースを手掛けた小山薫堂さんは、小山秀之進の玄孫(げんそん=孫の孫)に当たる。
NCMはテレビカメラ5台を使い、7月30日の公演を完全収録。大野陽一郎放送部長は「昨年の終演後、『もう一度、上演できないか?』という熱い声が後を絶たなかったことから再上演されたミュージカル。この映像は、地域密着型メディアとして最初から最後まで臨場感そのままに提供しなければならないと思った。放送は祝日の夕方なので、観劇できた人はもちろん、見ることができなかった人も、ぜひ楽しんでもらえれば」とほほ笑む。
番組は17時から、デジタル11チャンネルで放送する。