長崎在住のイラストレーターでデザイン事務所「トマトデザイン」(長崎市出島町)代表の中江昭久さんが9月1日、オリジナルポストカード「幸せを運ぶ 長崎ねこ」シリーズ新作の販売を始めた。
街で出合う「尾曲がり猫」を写真撮影しながらイラストを描いてきた中江さんは、今年4月の販売開始から少しずつ作品を増やしており、現在までに18作品を商品化している。中江さんは「レンズを向ける瞬間、猫が何とも言えない表情をするのがたまらない」とほほ笑む。
「長崎尾曲がりネコ学会(旧称=日本「長崎ねこ」学会)」によると、長崎の市街地に生息する猫の約75%が「尾曲がり」。そのうち、実際に尾が曲がっている「曲がりしっぽ」(約30%)、短く切れたように見える「短尾」(約27%)、団子のように丸い「団子しっぽ」(約18%)の3種類に大別されるという。尾曲がりの遺伝子を持つ猫は、主にインドネシア近辺に多く生息しており、長崎は江戸時代にオランダ貿易の拠点として栄えていたことから、船内のねずみ駆除のために貿易船に乗せられていた猫が、積み荷といっしょに長崎に上陸してそのまま定住したと考えられている。
「中国では『尾曲がり猫は幸せを招く』ということわざがあると聞く。日本でも曲がったしっぽが『幸せを引っ掛ける』という意味で同様の話がある」と中江さん。愛らしい猫を見ていた時に「幸せを運ぶ 長崎ねこ」というイメージが浮かんだという。
一番人気の商品は、背中にハートの模様がある「ハート」。目を閉じて前足を掲げる「ブルー」や、凛(りん)とした横顔の「ポピー」、だらんと寝そべる「スルーピー」などもよく売れているという。
「苦手ということもあるが、コンピューター全盛の時代に手描きイラストにあえてこだわるのは、生き物の温かさは、生きた手でしか描けないと信じているから」とも。中江さんは、クラウドファンディング「長崎にゲストハウスをもっと増やしたい」のリターン商品としても同ポストカードを提供している(支援額3,000円~。9月30日まで)。
価格は1枚150円。布なぷきん専門店「りぼん」(万屋町)、文房具セレクト店「てがみ屋」(大浦町)ほか、市内の土産品店などで販売する。