琴海商工会(長崎市長浦町)で12月2日、プロモーション事業を手掛ける女性経営者を講師に招いて「本気で見つけるUSP(強み)発見講習会」が開かれた。主催は同会青年部。
講習会には青年部に所属する石材店やクリーニング店などの若手経営者6人が参加した。
「ピンチこそチャンス」と副題が付けられた同講習会。USPとは「ユニーク・セリング・プロポジション」の略語で、いわゆる「強み」を意味するマーケティング用語。講師は分かりやすい解説を交えながら、自社の強みを発見するための基礎技術を少しずつ説明した。
講義はスライドを使って進められ、元気に手を挙げて講師からの質問に答える人も。受講者らはメモを取ったりレジュメを読み返したりしながら熱心に耳を傾けていた。
約1時間後、基本的な知識を一通り説明したところで講師が「今からワークショップを通して実践してもらう」と宣言。受講者らは3人ずつ2班に分かれ、「ポジショニングマップ製作」に取り組んだ。ポジショニングマップはマーケティングの基礎的な手法で、「価格」「容量」など独立性が高い2つの要素を選び、それぞれ縦軸、横軸に配置してピックアップした各商品がどのポジションに位置するかを分析する。受講者らに与えられた制限時間は30分。
講師が「それぞれの軸に、何を選ぶかが大事。調べる方法は自由」と促すと、スマホでネット検索する人や、受講者や商工会職員に一人ずつインタビューする人など、それぞれの方法で取り組んだ。発表の際は各自が積極的に考え方を披露しながら、意見交換していた。
講師は講習会終了に際し、「テクニックはいろいろあるが、最終的な答えは自分自身の中にしかない。ぜひ自信を持ってビジネスに取り組んでほしい」と締めくくった。
石材店を営む男性受講者の一人は、「ビジネスを学ぶ機会は少ないので大変勉強になった。従来通りの商売では限界がある。ぜひ応用したい」と意気込む。
同商工会・経営指導員の森山倫利(つねとし)さんは「一番の弱みが一番の強みに変わると知り、心強い。今後も学ぶ機会を増やしたい」と話す。