長崎市遠藤周作文学館(長崎市東出津町)で1月14日、映画「沈黙 -サイレンス-」公開記念特別展が始まった。
1月21日から全国公開する映画「沈黙 -サイレンス-」は、小説家・遠藤周作の同名小説に感銘を受けたマーティン・スコセッシ監督が、構想から28年の年月をかけて完成させた。
遠藤周作は1923(大正12)年、東京府北豊島郡(現在の東京都豊島区)生まれ。1958(昭和33)年に「海と毒薬」で新潮社文学賞、毎日出版文化賞受賞。1966(昭和41)年に刊行した「沈黙」で谷崎潤一郎賞を受賞するなど、「キリスト教と日本人」を生涯のテーマとして数多くの作品を生み出した。1991年に渡米し、スコセッシ監督と「沈黙」の映画化に向けて話し合っている。1995年、文化勲章受章。1996(平成8)年9月28日、肺炎のため73歳で死去。
外海地区は江戸時代のキリシタン潜伏地として知られており、作品中に登場する架空の「トモギ村」は、江戸時代に大村藩が統治していた黒崎村がモデル。同館は2000年5月に「外海町立遠藤周作文学館」として開館し、合併により長崎市に移管された。
特別展ではイメージデザイン画や台本、スケジュール表など映画関係の資料や、スチール写真などを展示し、長崎国際観光コンベンション協会(TEL 095-823-7423)が関連イベントとして小説の舞台を巡るバスツアー(1月29日、2月4日実施。料金=7,800円)を企画している。
会場では、遠藤周作没後20周年と小説刊行50周年を記念した特別装丁版「沈黙」(1,836円、1000部限定)を販売する。
開館時間は9時~17時(入館は16時30分まで)。観覧料は、一般=360円、小・中・高校生=200円。特別展は3月31日まで(1月28日、3月4日は関連イベントのため観覧不可)。