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長崎・正覚寺で「お寺バー」 新たなつながりのきっかけに

参加を呼び掛ける住職の有馬さん

参加を呼び掛ける住職の有馬さん

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 「光寿山 正覚寺」(長崎市東小島)で14日、「お寺Bar(バー)」が開催される。

「卓袱(しっぽく)」で知られる朱の円卓

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 本堂や、隣接する門信徒会館などで住職のレコードコレクションからバーの雰囲気に合わせた音楽を選び、酒を片手に参加者同士で会話を楽しんでもらおうと企画した同イベント。当日は16時から住職が勤行(ごんぎょう)と法話を行った後、17時から「お寺バー」をオープンする。檀家(だんか)だけでなく、誰でも参加できる。

 正覚寺は8月1日に長崎電気軌道の駅名改称で駅名が変わったが、長年「正覚寺下」電停があったことから地元では名の知れた寺。朝鮮の役で加藤清正軍隊長として活躍した有馬道智が出家して1604年に開創。長崎市内で最古の寺といわれている。再建や移転で1676年に現在の場所に落ち着いた。西南の役があった1877年には病院として多くの傷病者を収容した。太平洋戦争では本堂が半壊するなど大きな被害を受けたが修復され、2005年、開山400周年を迎えた。

 同寺で若坊守を務める有馬麻衣子さんは「仏事の後、酒や料理を食べて宴会を行うお斎(とき)の文化がある。長崎ではかつて、盆や彼岸などの際に墓地のあちこちで宴会が開かれ、身内だけでなく近くで宴会をしているほかの家とのコミュニケーションの場にもなっていた」と話す。

 住職の有馬道文さんは「時代の流れかもしれないが、墓を守る方がいなくなり、いわゆる『墓じまい』をする家が年々増えている。墓地での宴会のかわりとなる機会を提供できれば」と話す。

 2回目の開催となる今年は、寺院の装飾に使われる「五色幕(ごしきまく)」にちなんだオリジナルメニュー「五色(ごしき)のカクテル」を新たに用意。浴衣で来場した人は1杯目のドリンクを無料にするほか、子どもには花火をプレゼントする。

 有馬住職は「帰省などで多くの方が長崎を訪れるお盆のタイミングに合わせてイベントを行う。普段お寺を訪れることがない人も気軽に訪れてほしい」と来場を呼び掛ける。

 ドリンクは200円から、カクテル、ビールは300円から販売する。フード料金は志納制。問い合わせは正覚寺(TEL 095-822-2452)まで。

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