万年筆やガラスペン、ペンに使うインク、紙など「手書き」をテーマにした「ペンフェス2019」が6月28日~30日、石丸文行堂長崎本店(長崎市浜町)6階イベントホールで開催される。
石丸文行堂は1883(明治16)年創業の老舗文具店。「長崎に人が来る機会になるイベント」を目指し企画した昨年のペンフェスは、九州・中国地方、遠くは神奈川県から来場があったという。
社長の石丸忠直さんは「この数年、自分の本業でどうやったら長崎に貢献できるかを考え続けてきた。最近は、ネットで買い物することは普通になっているが、そこにしかないものを作り、観光地の長崎に来たくなるイベントが役に立つと思い、国内でも有数のコンテンツを集めた」と話す。
イベントでは新天皇即位を記念して世界800本限定販売の蒔絵万年筆「鳳凰」や、ナガサワオリジナルインク「Kobe INK 物語」などを並べる。石丸文行堂は独自ブランド「長崎美景」のオリジナル万年筆「グラバーフォレストローズ」と新色インク「壱岐ブルーエメラルド」「藤山マリアージュパープル」を先行発売する。
万年筆のグラバーフォレストローズは、この時期に咲き誇るグラバー園のバラをイメージ。ペン先には同所で見つけたら恋がかなうといわれる観光スポットのハートストーンとグラバー園のイラストが描かれている。
商品開発したクリエーターの宮崎有沙さんは「壱岐ブルーエメラルドは美しい空の色が映った海、藤山マリアージュパープルは九州でも藤の名所として知られる藤山神社の美しい景色をそれぞれ表現した。藤山神社では縁結び祈願もできるため、婚約を意味するフランス語の『マリアージュ』という名前を付けた。結婚のお祝いにプレゼントしてもいいと思う」と笑顔で話す。
ペンフェスで手書きを楽しむ企画として、テレビ番組「マツコの知らない世界」に出演したことで全国に名を知られることになった万年筆インク案内人・文具ライターの武田健さんがタロット占いでその人に必要なインクの色を導き提案する「インクetタロット」、昨年に続き、伝えたイメージをその場でブレンドしてインクを作るセーラー万年筆のインクブレンダー石丸治さんによる「インク工房」、万年筆のペン先を太字から細字、スタブや、イタリックにカスタムできるペン先職人、The Nib Shaper長原幸夫さんによる「万年筆ペン先カスタム」などが企画されている。
会場には大手のメーカーだけではなく、手製本notebook「Endpaper」、SNSで話題のインクブランド「Tono&Lims」、福島の小さな文具店ペントノートなども出展する。
宮崎さんは「スマホやパソコンを使う機会が多く、手書きの機会は減っている。普段、手書きしない人はイベントで手書きの感覚を思い出し、普段から手書きをする人は好きな人とつながってほしい」と話す。
開催時間は10時30分~19時30分。入場無料(一部要予約)。