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長崎市立図書館で軍艦島写真展と講演会 保全と観光活用を見直す機会に

来場を呼び掛ける軍艦島をモチーフにしたキャラクター「ガンショーくん」

来場を呼び掛ける軍艦島をモチーフにしたキャラクター「ガンショーくん」

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 長崎市立図書館(長崎市興善町)で12月4日、世界遺産講演会「軍艦島の保全と観光」と軍艦島の写真展が開催される。主催は軍艦島研究同好会。

台風17号で被害を受けた島内の見学通路(提供:ユニバーサルワーカーズ)

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 同好会は長崎大学名誉教授で土木を専門とする後藤恵之輔さんが2009(平成21)年8月に立ち上げた。学者を中心に現在18人が所属し、学術研究などの活動を行っている。講演会は同好会の10周年という大きな区切りにより多くの人に島のことを知ってもらおうと企画した。

 後藤さんは福岡県糟屋郡志免町出身。1964(昭和39)年に閉山した志免炭鉱で父親が働いていたため幼い頃から炭鉱になじみがあり、長崎に赴任した1982(昭和57)年から当時高島町だった軍艦島に上陸して学術調査をスタート。軍艦島は埋め立てで拡張された人工島であり、当時の最先端の建築物が立ち並ぶことなどから、土木の面からも保全が必要な歴史的資料であるとし、観光活用も含めた島の保全を訴えながら、「軍艦島学」を提唱している。

 講演会では「軍艦島の世界遺産登録その後と今後に向けて」と題して、元内閣官房参与で軍艦島をはじめとする「明治日本の産業革命遺産」の世界遺産登録に向けてコーディネーターとして尽力した加藤康子さんによる招待講演が行われる。その後、軍艦島研究同好会代表を務める後藤さんが「軍艦島のOUVと活用、そして課題」についての講演、軍艦島の元島民で一級建築士として東京で活躍している中村陽一さんが「一建築家からの軍艦島の保存と観光への提言」と題して建築家から見た軍艦島についての講演を行う。

 後藤さんは「軍艦島は当時の土木技術を知る学術研究の対象としてだけでなく、世界遺産にも登録されたことから観光地としても保全に向けて考える必要のある場所」と話し、「地元の市民をはじめ多くの人に島の重要性を今一度知ってもらうきっかけになれば」と意気込む。

 講演会の後には登壇者全員でディスカッションを行う。軍艦島は今年9月に上陸した台風17号でも大きな被害を受けている。現在は修復工事のため来年2月(予定)まで上陸できない状態となっている。過去にも台風による被害で上陸できない状態が続いたこともあり、観光業への影響も懸念されることから、後藤さんは「建築や土木の専門家で観光にも精通した識者が意見を出し合う機会。今後の軍艦島の保全だけでなく観光への活用の在り方を含め見直す必要がある。そのためにも有意義な場になるのではないか」とも。

 開催時間は写真展が12時~13時30分。講演会が13時30分~16時25分。入場無料。

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