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長崎の16商店街がフリースポットに-ベンチャー企業が国の助成で事業化

「無銭LANはじめました」と伝えるポスター(サンプル)と新地中華街のページ(試作品)

「無銭LANはじめました」と伝えるポスター(サンプル)と新地中華街のページ(試作品)

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 長崎のベンチャー企業「にんじんネット」(長崎市出島町)は3月8日、長崎市内の16商店街に無料で使える無線LANを整備することを長崎経済新聞の取材で明らかにした。

端末を手に説明する藤澤千絵社長

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 「にんじんエリア」と名付けられた同プロジェクトは、長崎市の新地中華街や佐世保市の三ケ町商店街、四ケ町商店街など主要16商店街でスマートフォンなどの端末をネットに接続するための無線LAN利用を無料で提供するもの。無線LAN(Wi-Fi)利用が可能な端末であれば機種や契約プロバイダーなどを問わない。同様の取り組みは福岡市や先月提供開始された京都四条などの例があるが、ベンチャー企業が主体となって複数の商店街で提供する例はなく、「おそらく全国初では?」と同社社長の藤澤千絵さん。

 同社によると事業費の3分の2を経済産業省の「地域商業活性化事業」の助成で賄う。3月から順次整備を進め、約150個の無線機を5月末には全域で整備を完了する予定だという。

 エリア内で無線LANに接続すると、商店街ごとに用意されたポータルページが開く仕組み。同ページでエリア内のイベントやグルメ、特売情報などを知ることができ、地域ニュースとして長崎経済新聞の記事を読むこともできる。残りの事業費はポータルページなどの広告収入で賄う。

 「にんじんネットの由来は、にんじんを漢字で書くと人参。商店街に人が参加するためには、参加したくなるような仕掛けが必要。商店街には電気代しか負担はないので提供する側にも利用する側にもメリットは大きい。これで商店街の活性化につながれば企業理念と一致する」と藤澤さん。

 ポスターの制作を担当した男性スタッフは「無線LANのフリースポットなので『無銭LAN』というネーミングをだじゃれで作ってみた。にんじん君の絵が女性スタッフにかわいいと人気。きっと商店街に多くの若者がスマートフォンを持ってやって来る。観光客にも非常に便利になると思う」と笑顔で話す。

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