長崎県庁(長崎市尾上町)で2月14日、長崎県と東京芸術大学との連携協定締結式が行われた。
長崎県では2018(平成30)年から文化芸術による離島振興や若者人口の定着、交流人口の拡大を図るための取り組みとして、各地域の実行委員会を主体とした「しまの芸術祭」や「若者アート『LOVEながさき』創造プロジェクト」を行っていた。長崎ゆかりのアーティストによる人材育成や演奏会、海外アーティストによる地元の素材を使ったアート作品の創作や地元の人々との交流、創作作品の展示などを各イベントで展開してきた。東京芸大からも指導者を派遣して人材育成などの協力があったことがきっかけで、今回の連携協定の締結につながった。
協定は、長崎県と東京芸大が相互に連携・協力し、文化芸術による活力ある地域づくりや人材育成・交流を図り、地域社会の発展に寄与することを目的とする。文化芸術振興や教育・研究、人材育成・交流、まちづくり・地域の活性化などの分野で連携・協力することを目指す。
県文化振興課課長補佐の山浦義次さんは「アートなどのブランディングに手がついていない離島などのフィールドを生かした創作、教育研究による地方創生の成功モデルをつくることに関心を示していただいた」と話し、「芸大一辺倒ではなく、すでに連携関係にある県内の先生方とも一緒になって力を貸していただきながら地域のブランディングが実現できれば」と笑顔を見せる。
長崎県出身で同大学音楽学部の准教授の日高剛さんは「長崎が音楽や芸術にあふれ、世界中から人が集まるようにできれば」と意気込む。
県では今年も2イベントの開催を予定。これまで行ってきた人材育成やアート展から一歩踏み込んで、両者で将来のアーティストを発掘するプロジェクトも検討している。