長崎県庁跡地活用ランチマーケット「あとちフェス」が3月16日・17日に開催され、17日に同イベント初となるエンターテインメントイベントが行われる。
2017(平成 29)年 12 月に長崎市尾上町に落成し、翌年1月から順次、新庁舎で業務が始まった長崎県庁。江戸町周辺は1571年に長崎が開港すると貿易のために6つの町が造られ、岬の先端に当たる旧県庁舎があった場所にはイエズス会が「岬の教会」を設置。長崎各地で布教する拠点となっていた。江戸時代にキリスト教が禁教になると長崎奉行所が建ち、長崎の統治や目の前にある出島での貿易の監視などに当たった。1869(明治2)年に長崎県が設置されると県庁が建てられ、4代にわたって県行政の中心を担ってきた。
県庁舎移転後、県では跡地を活用しようと民間を誘致してさまざまなイベントを開催。昨年から跡地に向けた実証実験の一環としてランチタイムにキッチンカーなどが集まり、食を楽しむランチマーケットを開催してきた。
「食だけでなくエンターテインメント要素が盛り込まれたイベントにしたい」とイベントブースに初出店する「ことはじめ」。2020年10月に発足した同団体は、長崎で活動するアーティストが自由に表現できる環境を創り、音楽や芸術を日常の一部として気軽に楽しめる文化の創造を目指して青栁智子さんが設立。長崎出身の青柳さんは東京の大学に進学後、2020年3月にパイプオルガンを研究するため活水女子大学(東山手町)の研究生として帰郷。地元アーティストとイベントなどをつなぐ地域音楽コーディネーターとして活動してきた。
2021年に初のイベントを開催した同団体。自主企画だけでなく、各地のイベントに地域音楽コーディネーターの経験を生かしてアーティストをつなげ、イベントを盛り上げてきた。
当日は「長崎孔子廟(こうしびょう)」(大浦町)の専属変面師として活躍する京介さんや長崎を中心に活動するマジシャン・ドゥーさん、バルーンアーティストSHU-Nさんらがパフォーマンスを披露。高島を拠点に活動する「RAINBOW MUSIC」や長崎発のアイドルユニット「スマートオブジェクト」のライブやダンススタジオによるパフォーマンスのほか、長崎県のご当地ヒーロー「デジマード」が登場し、イベントを盛り上げる。
「コロナ禍も重なり、長崎に帰ってきたら芸術文化に触れる機会が減った」と振り返る青柳さん。「コンサートホールなどではなく、もっと生活に近い場でアーティストをもっと身近に感じてもらうために活動を続けてきた。芸術文化を通してこの場所を盛り上げていきたい。ぜひイベントに足を運んでもらえれば」と来場を呼びかける。
開催時間は10時~16時。参加無料。