長崎のもざき恐竜パーク内にある野母崎文化センター(長崎市野母町)に7月20日、「本の居場所」が新設される。
演劇や講演などを行う客席や舞台を備えた同地区唯一の多目的ホールとして利用されてきた同施設。建物内にあった図書館が1年半ほど前に閉鎖され、その機能を各地の公民館に移していたが、常時開放されていないことから野母崎地区周辺で気軽に利用できる図書館がない状態になっていた。
同施設を管理する長崎のもざき恐竜パークの岩永朋也さんは同地区出身。高校卒業後、佐世保市の専門学校に進学し、そのまま就職していたが、「地元を盛り上げたい」とUターン転職していた。図書館がなくなったことで子どもたちが気軽に立ち寄って時間をつぶす場所がなくなったことから、「どうにかしたい」と手作りで図書館を復活させることが決まり、岩永さんを中心に準備を進めてきた。
今回、長崎市を中心に3店舗を展開する古書店「ほんだらけ」と「BOOKライデン」(出島町)に呼びかけ、それぞれ「恐竜にまつわる本」と「子連れの親が読める本」をテーマに本を調達。両店から寄贈を受けた本や地元の住民に呼びかけて集まった古本を合わせて1000冊ほどを並べる。隣接する長崎市恐竜博物館の企画展で展示されていたカルカロドントサウルスの頭骨の化石のレプリカも展示し、地元の子どもや恐竜パークに遊びに来た親子連れなどが気軽に立ち寄れるコミュニティースペースを目指す。
「地域の子どもたちが集まることができる場所として利用してほしい」と話す岩永さん。「平日は不登校などで行く場所がない子どもたちの居場所に、放課後の時間帯は地元の子どもたちや、土日には野母崎を訪れた恐竜好きの子どもが集まる場所になれば」とも。
開館時間は9時~16時。