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長崎・伊良林の光源寺で「道しるべ」上映会 家庭環境の大切さ伝えたい

来場を呼びかける西さん(中央)ら

来場を呼びかける西さん(中央)ら

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 再犯防止教育ドキュメンタリー映画「道しるべ」の上映会が8月31日、光源寺(長崎市伊良林1)で行われる。

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 訪問保育を手がける「Nannyいっしょ」(三和町)が主催する同イベント。代表の西有希さんは上五島町出身の虐待サバイバー。兄と共に幼少期から父の暴力と、それに耐えかねた母からの精神的圧力という虐待を受け、高校卒業とともに家を出たという西さん。幼い頃に負った心の傷から「私は何のために生きているのだろう」と思い悩み、自殺未遂を経験。兄も罪を犯して逮捕された。

 自殺未遂から救ってくれた夫と結婚し、現在は3人の子どもを育てる母親として子育てに奮闘する西さん。幼少期の辛い思い出から産後うつになってしまったこともある。「自分が受けてきた愛情の答え合わせをする期間と言われる。子どもたちの健やかな心を育むために幼少期の家庭環境の重要性を、身をもって実感した」と振り返る。

 「子どもたちに関わる全ての人たちに、ちょっとだけ視野を広げてほしい」と企画した同イベント。上映する「道しるべ」は再犯防止活動に取り組む一般社団法人「チャンスサポート」代表理事の川中正喜さんと同理事の岡田さえさんが製作・出演。罪を犯してしまった加害者の更生支援の現場を加害者が過ごしてきた幼少期の環境に着目して描くドキュメンタリーとなっている。

 上映会では、元アナウンサーで長崎市議会議員の高橋けいこさんが司会を務め、川中さんと岡田さんによる講演会も行う。

 ベビーシッター業務の中で行政や自治体が入り込みづらい家庭内の環境に触れる機会があるという西さん。「罪を犯してしまう理由を深掘りしていくと、寂しさを抱える子どもたちの弱みにつけ込む大人の存在が、子どもたちに居場所や存在意義を与えてしまっている場合も少なくない。小さい子どもを持つ子育て世代や保育に携わる人に見てもらうことで子どもたちにとって家庭環境が大切であることを知ってもらうきっかけにしたい」と意気込む。

 開催時間は、1部=14時30分~17時、2部=18時~20時30分。参加費は、大人=3,500円、大学生・専門学生=2,500円、高校生=1,500円、中学生以下無料。500円引きの前売り券を前日まで販売する。

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