漫画「ブラック・ジャック」の企画展が10月26日、長崎県美術館(長崎市出島町)で始まった。
医学博士で医者の免許を持っていた手塚治虫さんが「自分がもし医者になるならこんな医者になってみたい」という理想の姿を描いた同作。人間の病苦や生死についてのドラマがほぼ1話完結で描かれ、1973(昭和48)年から1983(昭和58)年にかけて「週刊少年チャンピオン」(秋田書店) に連載。患者に対する接し方や、生命に対する哲学的なまなざしなどは、今なお現役医師にもリスペクトされ、「医療漫画の金字塔」として知られる。
過去最大規模となる684点が並ぶ展覧会は、「B・Jとキャストたち」「B・J誕生秘話」「B・J曼荼羅(まんだら)」「B・J蘇生」の4部で構成。「B・Jとキャストたち」では作品に登場する個性豊かな医師たちのキャラクターを登場エピソードと併せて紹介。「B・J誕生秘話」ではブラック・ジャックが生み出された背景や同作と並んで手塚さんの代表作となっている「鉄腕アトム」などの作品資料も展示。手塚プロの関係者や出版に携わった編集者の証言映像や手塚さんと医療の深い関わりを示す資料も並べる。
「B・J曼荼羅(まんだら)」では主要のテーマに沿って約140話の原画を展示。「B・J蘇生」ではブラック・ジャックの魅力を今と昔の視点から探る。
併せて、会場限定のアートブックやオリジナルグッズを販売する特設ショップを開設。館内のカフェでは期間中、コラボメニューとして「ブラック・ジャックの生クリームカフェオレ」「ブラック・ジャックの生クリームバナナ・オ・レ」(以上825円)を提供する。
開館時間は10時~20時。入場料は、一般=1,500円、大学・70歳以上=1,300円、高校生=800円、中学生以下無料。休館日は10月28日、11月11日、25日、12月9日、23日、29日~1月1日。1月5日まで。