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長崎・香焼町の円福寺で「弘法大師祭」 縁日の出店も

本堂脇にある弘法大師像

本堂脇にある弘法大師像

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 「弘法大師祭」が4月20日・21日、香焼山円福寺(長崎市香焼町)と周辺で開催される。

法要が行われる円福寺

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 真言宗の開祖である弘法大師空海の命日に当たる旧暦3月21日を縁日として、偉業をたたえ、平和と繁栄を願う祭りとして全国各地の寺院で開かれる同祭。「香焼」の地名は804年に遣唐使として中国に渡る際に焼香したことにちなむという伝説がある。町のほぼ中央に位置する香焼山の約400段の石段を上り詰めた場所にある同寺院の裏手には香をたいたといわれる祠(ほこら)も残る。

 1674年に開山したとされる同寺院は当時、佐賀・鍋島藩の管轄地だった同所で荒れ果てた真言宗の寺院が見つかり、再興の後に同藩の宗派・曹洞(そうとう)宗へと改宗されている。地名にもゆかりのある空海は「弘法さん」として地元の人から親しまれ、毎年営まれてきた法要の日には縁日の屋台が並ぶ地域のイベントとしてもにぎわってきた。

 「祠まで参拝が難しい高齢者も増えたことから、石材店の協力で本堂の脇に弘法大師像も設置している」と話す同寺院住職の松尾哲雄さん。「普段は化粧をしないおばあちゃんもおめかしして寺を訪れるなど、地域の一大イベントとしてにぎわっていた。おじいちゃん・おばあちゃんが小さい孫の手を引きながらお参りする姿が、やがて大きくなった孫に手を引かれて寺を訪れるようになっていく姿を見守ってきた」と振り返る。

 コロナ禍以降、縁日の出店がなくなっていた同イベント。「祭りに合わせてキッチンカーや出店を並べることで以前のようなにぎわいの場にしたい」と深堀・香焼地区を中心に長崎市南部エリアを盛り上げようと取り組む深堀陽水さんに相談。昨年、キッチンカーなどを運営する事業者らに呼びかけてキッチンカーや出店が復活した。

 今年は、寺の境内ではおこしやみそなど、地域センター周辺ではたこ焼きや綿菓子、ミニゲームなどの出店を予定する。松尾さんは「地元の大祭として親しまれてきたイベント。香焼地区が盛り上がるきっかけになれば」と来場を呼びかける。

 本堂での法要は、20日12時~、21日9時~。出店は20日10時~20時。雨天の場合は出店の時間や店舗が変更になる場合がある。同寺院と地域センターに駐車場を用意する。

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