
「BASKETBALL CLINIC×中川聴乃(あきの)」が8月20日、長崎重工総合体育館(長崎市淵町)で開催された。
長崎県内でスポーツジムやヨガスタジオ、整骨院などを展開する「メディカルボディデザイン」(諫早市)が主催する同イベント。「地域の子どもたちやスポーツを盛り上げたい」とバスケットボール元日本代表で長崎市出身の中川聴乃さんに声をかけ、実現した。
出身地・長崎での本格的な指導は初という中川さん。当日は県内のバスケットボールチームに所属する小学4~6年生の子どもたち約120人が会場に集まり、大きな拍手で出迎えた。中川さんと同級生で、学生時代はコートで切磋琢磨(せっさたくま)してきたという同社の桑原枝里奈さんと対談する形で行ったトークセッションは、事前に集まった質問を元に進められた。
「身長が高かったことからポイントガードに抜てきされた。周りが上手な選手ばかりで、できなくて当たり前だったが、上達する過程を楽しみながら続けてきた」と小学4年でバスケを始めた頃を振り返る中川さん。「高校時代に日本一を経験したが、一つクリアすると新たな課題が出てきて、バスケ人生の中で自信がつくことがなかった」と現役時代を振り返りながら、「自信がないことを悩むことも向上心につながるので大切」とアドバイス。「緊張することは一生懸命取り組んでいる証し。失敗しても前向きに改善を考えればいい」とメンタルやマインドについての考え方なども紹介した。
基本動作を楽しみながら実践することを目指した実技指導では、プロバスケットボールクラブ「長崎ヴェルカ」のコーチ陣や長崎県バスケットボール協会の指導者らも協力。参加者を5グループに分け、それぞれドリブルやパス、ディフェンスなどを10分ずつ交代で練習。中川さんはそれぞれのエリアを回りながら子どもたちにアドバイスした。参加者全員でノックアウトゲームを行い、最後まで残った選手に中川さんからプレゼントが贈られた。
質問コーナーでは、パスがうまくなる方法や判断力を高める方法など子どもたちから多くの質問が寄せられ、アイコンタクトの重要性や試合中に心がけていることなどを丁寧に解説。保護者からの「試合に負けたときや失敗したときのメンタルケア」についての質問には、「アドバイスしすぎると自分で考えられなくなってしまう。前向きな言葉をかけつつ、考えながら自分で行動できるマインドづくりが大切なのでは」と答えた。
イベント終了後も時間の許す限り子どもたちとの触れ合いを楽しんだ中川さん。子どもたちからは「教えてもらったことを練習や試合で試してみたい」という声が多く聞かれた。