
長崎を舞台にしたSFサスペンス映画「TSUSHIMA」が10月17日、ローソン・ユナイテッドシネマ長崎(長崎市尾上町)で公開される。
山根高文さんが初監督を務めた同作はAIと再生医療の結びつきから生まれる問題をテーマに、猛烈な勢いで発展するAIとどう付き合うかを独自の視点で切り込む。1990年代に山田純大さん演じる主人公の新聞記者・田島圭介が、選挙活動を始めた中西悠綺さん演じるヒロインの佐藤由里子を取材するため対馬を訪れる。与党が内偵のために送り込み、変死体となって発見された男に残された謎の緑色の物質が見つかることからストーリーが始まる。東京では9月5日に公開された。
山根監督は医工学研究者で報道記者やニュースディレクターという経歴があり、離島巡りでたまたま訪れた対馬の景色の美しさや神秘的な雰囲気に魅了されたことから映画の舞台にすることを決めたという。2023年に行った撮影では対馬を中心に大村市や東彼杵町など長崎県内18カ所で撮影。長崎市内でもドンドン坂やめがね橋など5カ所でロケを行った。長崎文化放送アナウンサーの大嶋真由子さんも出演している。
「離島巡りでたまたま訪れた対馬に魅了されロケ地に選んだ。当時はまだAIという言葉もなく、人の心にまで深く入り込んで影響を及ぼすような存在になるとは想像もできなかった。映画に描いた世界がまさに現実となりつつあることに驚きと恐怖を感じる」と話す山根監督。「知らないうちにAIに支配される近未来の恐怖とともに、対馬だけでなく、作品に出てくる長崎県内各地の風景も楽しんでもらえれば」と鑑賞を呼びかける。
今月17日17時の回の上映前(16時30分~)と18日12時の回の上映後(13時50分~)は山田さんと中西さんが会場を訪れ、山根監督と共に舞台あいさつを行う。