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長崎居留地・東山手「地球館」閉館へ ラストイヤーを盛り上げたい

来館を呼びかける青柳さん

来館を呼びかける青柳さん

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 東山手洋風住宅群にある「地球館」(長崎市東山手町)が2026年末で閉館する。

2026年末で閉館が決まった東山手「地球館」

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 旧外国人居留地エリアのオランダ坂の通りの一角にある同館は1890(明治20)年代に外国人用賃貸住宅として建てられた7棟の洋館のうちの一棟。西向きの急斜面地を上下2段に分けて造成した敷地に社宅または賃貸住宅棟として建てられた住宅群は質素で、欄間などに中国風の意匠を取り入れた擬洋風建築として全国的にも類例がないことから、1989(平成元)年、長崎市の市指定有形文化財に指定され、復元された。

 1997(平成9)年に長崎国際交流塾が同館を借りて国際交流拠点・東山手「地球館」として運営をスタート。国際協力や国際理解に向けた同団体の取り組みは2005(平成15)年に国際交流基金「地域交流賞」や長崎県の県民表彰を受けるなど評価を受けてきた。前代表の高齢化やコロナ禍による活動の制限で継続が困難となっていたが、2022年、「東山手地区町並み保存会」に所属し、東山手町に住みながら地元のイベント運営などに携わってきた青栁智子さんが運営を引き継ぐかたちでリニューアルしていた。物件を維持保存しながら民間活力の導入による活用を目指す長崎市の方針が変わったことから契約満了により閉館が決まった。

 青柳さんは「『国籍を問わず、人と人との関係を築く』という思いを大切にしてきた地球館。100カ国以上の人が訪れ誰もが地球市民として関係を築くことができる拠点だったからこそ開館から28年にわたって愛されてきたのでは」と話す。「活動拠点がなくなってもいつでも帰ってこられる、つながれる場を作りたい」と地球館の歩みや活動アーカイブをまとめたホームページを11月に開設。ラストイヤーを盛り上げたいと運営サポーターも募集する。「最後の1年、思い出を懐かしみ、見納めに来てくれる人と一緒に過ごせれば。久しぶりの方や初めての人にもぜひ来てもらいたい」と来館を呼びかける。

 2026年は土曜・日曜・祝日を中心に開館を予定。開館日などの情報はインスタグラムで知らせる。館内の「cafe slow(カフェスロー)」は6月末で営業を終了する。

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