「生誕100年 山下清展-百年目の大回想」が2月14日、長崎県美術館(長崎市出島町)で始まる。
2022年に生誕100年を迎えた放浪の天才画家・山下清の大回顧展となる同展。1922(大正11)年、浅草に生まれた大橋清(後の山下清)は、幼少期に大病の後遺症で言語障害を抱え1934(昭和9)年に養護施設「八幡学園」に入園。同施設で教育の一環として取り入れていた「ちぎり絵」と出合い才能を開花させた。1940(昭和15)年から日本各地を思うままに巡る「放浪」の旅を10年以上にわたり繰り返し、旅先で目にした風景を貼り絵として描き出す中で代表作となる「桜島」や「長岡の花火」などを生み出した。素朴で懐かしい日本の原風景を描いた作品は今なお多くの人々から愛され続けている。
展覧会では、子ども時代の鉛筆画から後年の油彩、ペン画、陶磁器、遺品までを、「山下清の誕生―昆虫そして絵との出合い」「学園生活と放浪への旅立ち」「画家・山下清のはじまり-多彩な芸術への試み」「ヨーロッパにて-清がみた風景」「円熟期の創作活動」の5つのテーマに分けて展示。長崎会場のみ公開となっている十八親和銀行所蔵の「長崎の風景」「長崎の景色」の2作品を含む約190点を並べる。
「山下清の誕生」では、孤独だった山下清の幼少期の楽しみだった虫捕りや鉛筆画などを展示。「学園生活と放浪への旅立ち」は放浪の画家として名作を生み出した時期にスポットを当てる。1956(昭和31)年、「東京の大丸」(現・大丸松坂屋百貨店)で行われた初の大規模展覧会を機に画家としての意識を高めた山下清はペン画や油彩画などさまざま技法に取り組み、創作の幅を広げた時期にスポットを当てた「画家・山下清のはじまり」や「ヨーロッパにて-清がみた風景」では1961(昭和36)年からヨーロッパを中心に海外を巡り、帰国後に描き上げた作品も並ぶ。「円熟期の創作活動」では晩年に個展に合わせて全国の窯元を訪れて絵付けした作品を展示するほか、蔵書やリュックサック、浴衣などの関連資料も並べる。
オープニングセレモニーでKTNテレビ長崎の大澤徹也社長は「山下清は感覚と感情、『心の記憶』が驚異的で同時にアウトプットできることが作品の魅力につながっているのでは。多くの人に作品に触れてもらえれば」とあいさつ。テープカットを行った。
2月14日14時から、山下清作品管理事務所代表で山下清のおいの山下浩さんによる講演会「家族が語る山下清」を行う。参加無料(要観覧券)。先着100人。
開館時間は10時~20時。入館料は、一般=1,500円、中高生=1,000円、小学以下無料。期間中の休館日は2月24日、3月9日・23日。4月5日まで。