アクセサリーやアパレルの企画、製造、卸とカフェなどの店舗を運営するニル(長崎市万屋町)が7月1日、地域活性化のために新形態のチラシ媒体「nillpon(ニルポン)」を発行する。
同社はアクセサリーや洋服などの製造・卸が主力事業だが、若い女性を中心に人気を集めるカフェ「nill style cafe」も長崎市内で複数店展開する。今回のチラシは自店のためではなく、飲食店、美容室、エステなど集客に悩む近隣の小規模店にスペースを提供し、少しでも地域の活性化に役に立てばと企画した。
原田健一郎社長は「時節柄、だんだん財布のひもが固くなり、どこの店も集客に悩んでいる。かといって広告費にかけられる予算も厳しいのが現実。ならば、お客さまに喜んでもらえる媒体をうちで企画して手頃な金額で近隣の店に利用してもらおうと思ったのがきっかけ」と話す。
ニルポンのサイズはB4版で両面印刷。各店の広告スペースの中に、それぞれQRコードを配置。携帯やスマートフォンでコードを読み取ると電子メールが自動的に発信され、自動応答メールに書かれたアドレスに利用者がアクセスすると、抽選で当たるプレゼント付き割引クーポンやイベント情報など、店の詳しい情報が得られる仕組み。地域を絞り込んだ新聞折り込みで約2万部を配布する。
提供するスペースは全て名刺サイズで、1店舗あたりの広告費はウェブ掲載費を含み3万1,500円。さらに各店舗が提供するプレゼントは、ニルポン側が最大1万円で買い取る仕組み。
「正直なところ、このチラシ事業ではあまり利益は出ない。だが地域の応援があって、自分たちも今日がある。地域活性化のためにも、今まで広告費が高くて利用できなかった店に気軽に使ってもらいたい」と原田社長はほほ笑む。
今後、1カ月に1度の頻度で発行する予定。