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長崎・リカちゃん通りで「打ち水大作戦」-初の組織的イベント

打ち水をするアパレル店のスタッフら

打ち水をするアパレル店のスタッフら

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 長崎市中心部のリカちゃん通りで8月7日、商店街組織を持たない通りとしては初めてのイベント「打ち水大作戦」が行われた。 

学生スタッフからチラシを受け取る店主

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 「打ち水大作戦」は社会活動がしたい長崎の学生が中心となって、自然の打ち水の力でエコな涼をとってもらおうと毎年この時期に行っているイベント。今年で8回目となる本番のイベントは8月29日に長崎県美術館(出島町)で行われる。今回はリカちゃん通りのほか、新大工商店街、中通り商店街の3カ所合同でプレイベントとして行われた。

 打ち水用にメーンで使用する水は、メトロコンピューターカレッジの学生7人が長崎歴史文化博物館(立山1)から大型バケツ(約60リットル)8個分の雨水処理水の提供を受け、リカちゃん通りと新大工商店街に分かれて搬入した。学生らはイベントの開始に先立ち、通りの店舗を回って店主らにあいさつを兼ねてイベントの告知チラシを配布したり、メガホンで参加を呼び掛けたりした。

 リカちゃん通りの名称は昨年6月に休刊したタウン情報誌「ザ・ながさき」の公募で決まったとされているが、その由来は諸説あり詳細は不明。30年以上の時間を経てもなお同名称で長崎市民に広く知られているが、リカちゃん通りには正式の商店街組織は今も存在せず、組織的なイベントを行った経験がない。今年7月に商店主有志が任意団体「リカちゃん通り向上委員会」を結成。約50店舗ある店主らに呼び掛けて「向上委員会」として初のイベントが実現した。

 15時に打ち水開始の合図が出されると、参加者らは一斉に打ち水を開始。店先でひしゃくでまく人、ホースでまく人、ボウルを抱えて手のひらでまく人など各自思い思いのスタイルで打ち水を行った。開始前、カラカラに乾いていた道路は見る見るうちにしっとりとぬれて涼しい風が流れてきた。学生スタッフが温度を計測したところ、開始前の気温34.9度は32.9度に、37.0度あった道路表面の温度も35.0度に、それぞれ2度ずつ低下した。

 企画班リーダーでメトロコンピューターカレッジ2年の川村龍一さんは「学生が社会活動をする機会はなかなかないので、商店街の人たちと触れ合える経験は将来きっと役立つ」と話す。リカちゃん通り向上委員会のメンバーの男性は「今まで組織的なイベントをやりたくてもできなかった。小さなイベントだがリカちゃん通りにとっては大きな一歩になるのでは」と意気込む。

 リカちゃん通りでの打ち水を終えた学生スタッフは商店主らと記念撮影した後、次の開催地・中通り商店街へと向かった。

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