長崎の県営ビッグN球場(長崎市松山町)と市営かきどまり球場(柿泊町)で9月25日、社会人野球日本選手権大会九州地区予選が開幕した。
九州、沖縄の12チームが第1代表、第2代表の2枠を目指して戦う同大会。29日に行われた試合に出場したのは、全員が自動車学校の先生という宮崎梅田学園(宮崎県宮崎市)チーム。宮崎市内で自動車学校3校を経営する梅田学園が運営する。かきどまり球場へは車体に同校名を大きくあしらった自動車とバスで移動してきた。
高田昌宏監督は「2006年に創部し、今年で5年目。あの車はもともとシミュレーション機が載っていたが、施設内に移動したため外部を塗装して野球部用に流用したもの。確かに目立つので宣伝にはなっていると思う」と話す。
自身も延岡学園高等学校出身で野球経験者でもある同校代表の梅田碇備(じょうび)さんが、「宮崎に硬式野球チームがないので地域活性化のため受け皿を作ろう」と思ったのが創部のきっかけ。教官の中からチームを構成し、現在は18人ほどのメンバーになる。
「チームの平均年齢は24歳。仕事と野球を両立させてこそ野球ができる。春、夏、冬休みの自動車学校繁忙期は野球の練習も一切中止される。仕事への即戦力が野球の戦力につながる」と高田監督。
同チームはエナジックとの対戦の結果、6対5で惜しくも敗れた。投手の黒木優也さん(24)は「ある意味、人命にかかわる仕事に携わり、チーム一丸となって命がけで野球をやれる環境を得て、本当にやりがいがある。今回は残念だったが、いつかみんなと東京ドームに行く」とこぶしを握りしめる。
九州地区予選の決勝戦は10月1日に行われる予定。