長崎・梅月堂本店前特設会場で10月27日、かつて長崎の土産品として売られていた「トンチンカン人形」を作るワークショップが開かれる。主催はハマスカ実行委員会。
トンチンカン人形とは長崎在住の人形作家で1970(昭和45)年に42歳で亡くなった久保田馨(かおる)さんが製作した人形のこと。素焼きに彩色を施した陶製の小さな人形で、1952(昭和27)年から亡くなる1970年にかけて長崎市内で土産品として売られていた。久保田さんが生涯で製作した人形は30万体ともいわれている。
1962(昭和37)年に「デザイン」誌に元在日ブラジル大使館員で詩人、作曲家のI.C.ヴィニョーレスさんが同人形を紹介する記事を掲載して一躍注目を浴びた。ヴィニョーレスさんは9月20日、長崎市役所に田上長崎市長を訪問。自身が所有するトンチンカン人形57体を市に寄贈。10月31日まで、ワークショップ会場前の梅月堂本店で展示されている。
ワークショップでは石粉粘土を使って形を作り、レンジで乾燥した後、アクリル絵の具で彩色して完成。画家の松下卓生さん、松尾英夫さんらをはじめ、トンチンカン人形実行委員会のメンバーの画家らが指導する。主催者側では50人程度の参加者を予定。当日会場で先着順に受け付ける。参加無料。13時受け付け開始。材料が無くなり次第受付を終了する。
実行委員の内田秀行さんは「久保田さんは1日に100体近く作ったらしいが、自分も見よう見まねで作ったら10体程度が限界だった。人間業とは思えない。ワークショップで作る作品は簡易方式なので実物とは違うが、子どもたちに粘土をこねる感触を楽しんでもらえたら。親子でぜひ」と参加を呼び掛ける。
当日は11時59分から数分間、近くの通称「りかちゃん通り」でもサプライズイベントが行われる。「りかちゃん通り向上委員会」の田中英敏さんは「中身は内緒。時間がある方はぜひ」と話す。