長崎港松が枝国際ターミナル(長崎市松が枝町)で3月22日、「オールディーズ Live&Dance」が開かれ老若男女200人ほどが集まった。
企画スタッフの下川卓郎さんは「かつて長崎で人気を誇った『長崎ケントス』『ROXY』などのライブハウスが次々に閉店し、『オールディーズを楽しむ大人の遊び場がなくなった現状を変えたい』と企画した。初開催ながら子どもから年配の方まで200人を超える人が集まり驚いている」と話す。フェイスブックやバスの車内広告、ポスター掲示などを通じて集まった人たちの中には「オールディーズは知らないが面白そう」という若者の姿もあった。イベントでは元「ROXY」のメンバーを中心に結成されたオールディーズバンド「ロングテール」が生演奏を披露。参加者らは生演奏の迫力を体全体で感じながら思い思いのスタイルで楽しんだ。
演奏された曲目は「スタンド・バイ・ミー」「君の瞳に恋してる」「ロック・アラウンド・ザ・クロック」「恋の片道切符」などのオールディーズの定番曲のほか、80年代のヒット曲なども披露。日本では荻野目洋子さんなどがカバーしてヒットした「ヴィーナス」のイントロが流れると、あちらこちらから歓声が上がり全員が曲に合わせて体を揺らした。
長崎市内で飲食業を営む松尾博一さんは「同年代の方たちがたくさん青春時代を思い出して楽しんでいた。あのころ、見た目で黒服からディスコに入れてもらえんやったけん、恥かしゅうして一緒に踊りきれんやった」とフェイスブックに投稿。イベントのフェイスブックページにはライブの様子を紹介する1分ほどの動画もアップされている。
2ステージの生演奏の合間には入場者が持つチケットの半券に書かれた番号で抽選会が行われた。ホテル日航ハウステンボスのペア宿泊券をはじめ「雲仙・小地獄温泉ペア宿泊券」「焼き肉食事券1万円分」など参加者の10人に1人以上が当選する確率で協賛企業各社が多くの景品を用意。景品は数千円相当の食事券や食べ放題ランチのペア食事券、五島うどん、トマトとドライフルーツ、ケーキなど実用的なものが多く、当選番号が発表される度に会場の至る所で歓声が起こった。
さらにバンドメンバーがステージ上から見た目の独断で選出する「ベストノリノリ賞」「ベストドレッサー賞」を発表。ベストノリノリ賞は開場直後から終始ノリノリで踊り続けていた男性が受賞し、賞品とは別に副賞の「のり」が渡された。ベストドレッサー賞は「お母さんが昔着ていたシャツに白いスーツをビシッと決めてかっこよかったから」という理由で小学生の男児が受賞した。受賞者らは、それぞれの賞品をうれしそうに受け取った。
ボーカルのMakiさんは「率直に歌を歌ってきて本当によかったと感じる瞬間だった。お客さまが本当に楽しそうにしている笑顔にたくさんのパワーをもらった」と、バンドマスターのKoichiさんは「今回、小さい子どもから年配の方まで幅広い人たちが一体になって踊る姿をステージ上から見ていて、オールディーズというジャンルが受け入れられる可能性の幅広さにあらためて気付かされた。次回はもっと多くの人に楽しんでもらえるよう頑張りたい」と、それぞれあいさつ。下川さんは「初めて開催したイベントだが多くの人がこういう場所を心待ちにしていることがよく分かった。次回開催の時期は未定だが、内容を充実させてぜひ続けたい」と締めくくった。