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「ハッピー」動画・長崎版が完成-次の目標は1万人

鯛を持って踊る「みさ姐」こと松田充佐子さん(中央)

鯛を持って踊る「みさ姐」こと松田充佐子さん(中央)

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 長崎のイベント団体「フラッシュフェスティバル」が制作していたオリジナル動画「ハッピー」長崎版が完成し、8月17日にユーチューブで公開された。再生回数はすでに1000回を超えている。

グラバー園内で踊る小泉さんたち

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 「ハッピー」動画の制作は世界中で流行している現象。アメリカの人気歌手、ファレル・ウィリアムスさんのヒット曲「ハッピー」に合わせ、世界中のさまざまな場所でさまざまな人たちが動画を撮りユーチューブで公開している。公式の日本版はソニーミュージックが公開。日本の著名なミュージシャンや「ふなっしー」などが出演しており、再生回数は218万回を超えている。

 長崎版は「出島」「グラバー園」「平和公園」「眼鏡橋」など長崎市内の観光名所や諫早市内などで撮影された。諫早名物「鰻」のキャラクター「うないさん」や「鮮魚主婦」で知られる竹野鮮魚店(諫早市)の松田充佐子さん、漫画「ペコロスの母に会いに行く」原作者の岡野雄一さんらも出演している。

 同団体を主宰する小泉容子さんは「誰に頼まれたわけでもなく、勝手に『長崎のプロモーションビデオ』を作ろうと思った」と話す。かつて小泉さんがアメリカを訪れた時、現地のアメリカ人たちから一斉に身構えられたことがある。理由は「長崎から来た」と伝えたから。

 「かなり田舎町だったが、ほとんどの人は原爆のことで私から自分たちが責められると思ったようだ。中には顔を引きつらせながら真剣に謝罪する人もいた。罪の意識を抱えるアメリカ人がたくさんいることを知って驚いた。被爆者の家族ではあるが自分にはアメリカ人を恨む気持ちはないことを伝えると、多くの人が驚いた。私もその人たちの心の傷を癒したいと思った。そこから相互理解が深まった」と振り返る。

 初めて訪れた町にもかかわらず「長崎の話を聞かせてほしい」とたくさんの人から頼まれ、みんな真剣に小泉さんの話に耳を傾けたという。小泉さんはアメリカ人と結婚し、家族とともに長崎で暮らしている。

 「動画はまだ完成していない」と明かす小泉さん。「動画を作る目的は、『長崎の人たちはこんなに明るく生きている』と世界の人たちにアピールするため。その姿を見て、それぞれの人がそれぞれ何か『平和』『ハッピー』について感じてもらえればいい。そのためには、もっと多くの人に出演してもらいたい」と意気込む。

 同団体では撮影などにかかる経費を捻出するため、出演者から少しずつ参加費を集めるなどの方法で制作してきた。「来年は被爆70年の節目。目標は長崎から1万人の『ハッピー動画』を世界に公開したい。みんなで見る夢はどんなに無謀な夢だろうと必ず叶うと信じている。これから多くの仲間の知恵と力を結集して、ぜひ実現させたい」とも。

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