長崎市立図書館(長崎市興善町)多目的ホールで3月20日~22日の3日間にわたり、映画上映会が開かれる。
3月20日は「小説新潮」に連載された同名小説を映画化した「スープ・オペラ」(2010年日本映画、119分)を上映する。原作者はエッセイストでタレントの阿川佐和子さん。
長年、一緒に暮らしていた叔母「トバちゃん」が突然、旅に出てしまい、一人暮らしになった35歳の独身女性・島田ルイ。そこへ突然、2人の独身男性が上がり込む。初老のトニーさんと、年下の康介。男たちに唯一、共通するのは「スープが好き」ということ。家族でもなく、恋人でもない奇妙な男女3人の共同生活に巻き込まれるルイ。監督は瀧本智行さん。坂井真紀さん、西島隆弘さん、加賀まりこさん、藤竜也さんなどが出演する。上映開始は18時(開場17時45分)。
21日・22日はミュージカルと音楽をテーマにした作品4本を上映する。
上映作品は、「コンチネンタル」(1934年アメリカ映画、105分、モノクロ、字幕)、「錨を上げて」(1945年アメリカ映画、139分、字幕)、「モロ・ノ・ブラジル」(2002年ドイツ・フィンランド・ブラジル合作、109分、字幕)、「きっと、うまくいく」(2009年インド映画、170分、字幕)。
「コンチネンタル」(21日13時~、開場12時45分)は、当時好評だったミュージカル・コメディー「陽気な離婚」の映画化。歌と踊りの名手でガイと名乗るアメリカ人が親友と一緒にパリからロンドンへ帰る途中、税関である女性と出会う。彼女の服が間違ってトランクに挟まれ、困っているところをガイが救い、彼女に一目ぼれする。ところが彼女は名前も告げずに立ち去る。ガイはロンドン中を探し回り、偶然再会するが、今度もミミと名乗るだけで再び逃げられる。その後、物語は意外な展開を始める。監督はマーク・サンドリッチ、出演はフレッド・アステア、ジンジャー・ロジャーズほか。
「錨を上げて」(21日15時5分~、開場14時50分)は、4日間の休暇中にハリウッドにやって来た水兵の恋物語。1906年にアメリカ海軍中尉・チャールズ・ツィマーマンによって作曲された軍歌、行進曲と同名のタイトルで、そのメロディーは日本でも広く知られている。本作はアカデミー作曲賞を受賞した。「錨を上げて」は米海軍用語で、船が出航する際に錨の引き上げ作業が完了したことを指揮官が承認することを意味する。
見どころは、ジーン・ケリーのダンスや、フランク・シナトラの歌声。名ピアニスト、ホセ・イタルビによる20台ものピアノを使った「ハンガリア狂詩曲」。アニメ「トムとジェリー」のジェリーとジーン・ケリーが、ダンスで共演する実写とアニメーションの見事な融合シーンが公開当時話題になった。監督はジョージ・シドニー。
「モロ・ノ・ブラジル」(22日13時~、開場12時45分)は、フィンランドのミカ・カウリスマキ監督が、ブラジル音楽のルーツを探るドキュメンタリー映画。4000キロの旅の途中で遭遇した、さまざまなアーティストたちとの出会いと別れ。音楽に生きる人たちのインタビューやライブ映像が、31編のドラマとしてカメラに収められている。
「きっと、うまくいく」(22日15時10分~、開場14時55分)は、インド映画の歴代興行収入で1位を記録した作品。2010年国際インド映画アカデミー賞の作品賞をはじめ監督賞、助演男優賞、主演女優賞、撮影賞、脚本賞など、史上最多の16部門で受賞している。
映画の舞台はインドの工科大学の学生寮。コメディー青春劇ながら教育問題をテーマとして取り上げ、若者の自殺率の高さにも注目している作品。主演したアーミル・カーンは実年齢44歳で大学生を演じている。タイトルの「きっと、うまくいく」は、インドがイギリス統治時代、インド人の夜警たちが街を見回りながら口にしていた言葉だという。日本では2013年5月に公開され、第37回日本アカデミー賞優秀外国作品賞を受賞した。監督はラージクマール・ヒラニ。
いずれの作品も入場無料で、事前申込み不要。各回、定員は100人。