長崎市で創業57年の歴史を持つ有限会社中村塗装(本社:長崎市西北町、代表取締役:中村巧)は、築30年の旧カラオケ店を独自の塗装技術と建築再生ノウハウで蘇らせたシェア型ホテル「HOTEL URO(ほてる うろ)」を2025年8月1日に開業いたしました。

長崎は街全体が山肌に張りつくように広がり、地形と建築が密接に絡み合った「坂」の街です。HOTEL UROの対象建築は、かつて地域に親しまれてきたカラオケ店でしたが、惜しまれながらも閉店し、その後10年ほど時が止まったような場所となっていました。
築30年を経過したこの建築物は、六段ごとに階層が切り替わるスキップフロアの構成で、中央に配された屋外階段にまとわりつくようなカラオケルームが、まるで長崎という都市そのものを体現しているような特異な構造を持っていました。歩くうちに自分がどこにいるのかを見失うような探検的な体験こそが、この建築の魅力であると考えました。
この特異な構造と水回りの欠如という条件のもと、全室に水回りを設けるのではなく、共用に集約することで改修コストを抑えつつ、自由度の高い滞在スタイルを可能にするホステル業態を選択。長崎の観光需要とも親和性の高い、柔軟で効率的な宿泊モデルを目指しました。
建物に残された貫通動線や象徴的な階段を活かし、1階には"通り抜ける街路"のような公共性を持たせ、白く塗装で再構成した階段は音と光で体験価値を演出し、建物全体で長崎の街を一望できる"市中の展望台"としての場所性を実現。既存建物の特性と事業性・空間設計を重ね合わせ、全てを新しく作り替えるのではなく面影を残しながら、都市とつながるホステル体験を立体的に構築しました。

コンセプトは「URO(樹洞)」。木の樹洞を意味するこの言葉には、「街にひそむ小さな余白で、誰かがふと立ち止まり、記憶がとどまる場所」という静かなイメージが込められています。
建物全体を一つの大きな木として捉え、小さな客室が樹洞のように左右に配置された構造は、上空に向かって風を感じる階段空間と相まって、様々な生物の棲家となる「樹洞」に滞在するような体験を提供します。大きな空間でないからこそ心が落ち着き、巣にこもるような安心感を与えるホテルを目指しました。
屋上の景色を切り取った窓、アールのついた空間、壁の塗装、階段の自然環境音、1階カフェやバーのドリンクに至るまで、この世界観が一貫して踏襲されています。長崎市内の複雑に入り組んだ坂や階段の街並みと、小さな空間が詰まった建物の風景がオーバーラップし、景色を壊すことなく面影を残しながら新たな場所へと作り変えることを実現しました。
【Standard Double】
ダブルベッド1台を備えた、プライベートな個室タイプの客室。コンパクトながら落ち着きのある空間で、一人でゆっくりと、または気の置けないパートナーと過ごすのに適した設計です。
【Deluxe Double】
ダブルベッド1台を備えた、プライベート性の高い個室タイプの客室。Standard Double よりもワンランク上の設備と空間を提供し、より快適な滞在をお楽しみいただけます。
【Mix Dormitory/Female Dormitory】
二段ベッド2台を備えた、4名定員のドミトリールーム。各ベッドは幅100cmのゆったりとしたシングルサイズで、13cm厚のマットレスが旅の疲れをしっかりと癒します。一人旅の方同士の交流も期待できる空間です。女性の一人旅でも安心してお泊りいただける女性専用フロアもございます。
【FAAH Terrace - 「自然の旋律に包まれる階段」】
長い間地域の人々に愛されたカラオケ店の8階建て階段は、白い空間に生まれ変わり、利用者を優しく迎え入れる場所となりました。ここは「音のグラデーション」を奏でる特別な空間で、地底から上空へと移ろう自然の音が心地よく響き渡ります。4つのスピーカーからはそれぞれ異なる音が流れ出し、空間の中で溶け合い、常に新しい音の表情を生み出します。
【FAAH Lounge - 「街を見渡す窓」】
ホテルの最上階8階に位置するFAAH Loungeは、カフェ/宿泊者専用のラウンジとしてご利用いただけます。ミニマルな空間に象徴的に配された一つの正方形の窓からは、長崎の街並みが絵画のように広がります。行き交う人々や街の営みを静かに眺めるひとときは、穏やかな心の広がりをもたらします。
【共用シャワールーム/パウダールーム】
男女別に設置された共用シャワールームには、ドライヤーやシャンプー類、全身鏡を完備。清潔で使いやすい環境を整え、快適な滞在をサポートします。
【In stratum - 音が移ろいゆく特別な音浴体験】
ホテルUROではより快適で心地良い滞在空間を創り出すために、階段部分にサウンドアートを導入しております。長崎出身のサウンドアーティスト坂本豊の代表作である擬似自然音景、S.V.N.S (Synthetic Virtual Nature Soundscape)と当ホテルの為に作られたオリジナルのアンビエントミュージックを融合し、ホテルUROのための音環境を制作しました。
電子音だけで人工的に再構成された自然音と繊細な音響処理を施したアンビエントミュージック。
訪れる人々に深い静けさと時間の揺らぎをもたらす空間を創出。都市と自然、現実と仮想が溶け合う、
感覚の境界を超えるサウンドスケープです。
【サウンドアーティスト Yutaka Sakamoto】
長崎市出身。2002年から作曲を始め2009年に渡独、約10年ドイツでのアーティスト活動を経て2019年に帰郷。国内でサウンドアーティストとして活動している。シンセサイザーだけを使った音響作品S.V.N.Sによる聴覚体験を通じて人々の意識を刺激する作品を制作、新たな音との対話を提示する。
【Cafe FAAH - 「今日という日に、深呼吸を」】
日々の喧騒から離れ、心ゆくまで「なにもしない時間」を過ごせるカフェ「FAAH」。洞窟のような静寂な空間で、淹れたてのコーヒーが香る安らぎの場所として、心ゆくまでリラックスできる隠れ家のような空間を提供します。宿泊者だけでなく、地域の方々にもご利用いただけます。
営業時間: 9:00-17:00(毎日営業)
【Bar zzzzz - 「ゆっくり、眠りにつくように」】
日が暮れ始めたら「ゆっくり、眠りにつくように」がコンセプトのバー「zzzzz」へ。プライベート感あふれる心地よい空間で、選りすぐりのお酒が心身を深いリラックスへと誘います。明日への活力を満たす特別な時間をお楽しみください。
営業時間: 17:00-22:30(金・土営業)
・企画、運営:有限会社 中村塗装
・トータルプロデュース/宿泊コンサルティング:濱谷 洋次(水源)
https://thefountainhead.jp/
・統括設計:松井 大佑(Atelier koma 一級建築士事務所)
https://atelierkoma.com/
・施工:株式会社 采建築社
https://www.sai-kenchiku.com/
・クリエイティブディレクション/アートディレクション/デザイン:久松 徹(YATAI Inc.)
https://www.yatai.design/
・ロゴデザイン(カフェ/バー):ダテユウイチ
https://www.instagram.com/date_u1/
・イラスト:芦藻 彬
https://www.instagram.com/akiraturu/
・サウンドアート:坂本 豊
・写真:村田 祐介
https://yusukemurata.com/
・SNS運用サポート:神崎 貴英(Camely)
https://www.instagram.com/camely_group/
・施設名: HOTEL URO(ほてる うろ)
・開業日: 2025年8月1日
・所在地: 〒850-0831 長崎県長崎市鍛冶屋町6-10
・交通: 長崎電鉄思案橋駅徒歩4分、めがね橋駅徒歩5分、JR長崎駅からタクシー6分
・構造: 鉄筋コンクリート造地上8階建
・客室構成: ダブルルーム7室、ドミトリールーム20室(全室共用シャワー/トイレ)
・共用設備: 男女別シャワールーム、8階ラウンジ、階段テラス
・併設施設: Cafe FAAH(8:00-17:00)、Bar zzzzz(17:00-22:30 金・土)
・公式サイト: https://hotel-uro.jp/
・E-mail: info@hotel-uro.jp
有限会社中村塗装は1968年創業、1991年法人化の長崎市を拠点とする塗装専門店です。代表取締役の中村巧氏のもと、57年間にわたり長崎の建築物を美しく蘇らせてきました。建築塗装全般、防水工事、改修工事を手がけ、今回のHOTEL UROプロジェクトは同社にとって初のホテル運営事業となります。
「創業以来57年間、長崎の建築物を塗装技術で美しく蘇らせてきました。HOTEL UROプロジェクトは、単なる改修工事ではなく、塗装技術が建築物再生の新たな可能性を切り拓く象徴的な事例となりました。地域に根ざした企業として、長崎の街並みと調和しながら新たな文化を創造する拠点として、このホテルを育てていきたいと考えています」(代表取締役 中村巧)
・会社名: 有限会社中村塗装
・設立: 1991年10月(創業1968年)
・代表者: 代表取締役 中村巧
・本社所在地: 〒852-8051 長崎県長崎市西北町2番15号
・事業内容: 建築塗装全般、防水工事、改修工事、ホテル運営
・公式サイト: https://nakamura-tosou.co.jp/