長崎に原爆が投下されて70年が経過した8月9日、長崎在住の男性が空を見上げるアートアクション「みあげる長崎2015」を行う。
同アクションは2013年から広島で毎年行われている「みあげる」の長崎版。広島開催は今年で3回目。原爆投下時刻の8時15分から10分間、原爆が投下目標となった相生橋付近で、参加者それぞれが空をただ見上げるというアートアクション。周囲に迷惑をかけないように注意する以外、特に決まったルールはない。投下された場所で投下時刻に空を見上げることによって、「何かを感じる」ことが目的。感じ方は人それぞれで構わないという。広島では混雑を避けるため、前日の5日に行われている。
長崎版「みあげる」を行うのは職業訓練校講師で被爆3世の金子マモルさん。8月8日、自身が運営するコワーキングスペースを訪れた「みあげる」のイベント主催者・安彦恵里香さんから話を聞いたことがきっかけという。「説明不要。しっくりきた。知ったばかりだが、ともかくやってみることにした」と金子さん。
「ただ10分間、空を見上げるだけ。私も初体験なので、その時刻にその場所で空を見上げる行為がどんな感じか分からない。今日は当日なので原爆公園周辺はかなり混雑している。浦上駅から少しずつ近づいて可能な場所でトライしたい。参加したい人がいたら、ぜひ来てほしい。参加できない人は、場所はどこでも構わないので70年前に思いをはせながら、10分間空を見上げてほしい。何か感じるかもしれない」と呼び掛ける。
金子さんは8月9日10時30分、浦上駅前歩道橋下で友人らと集合した後、徒歩で原爆公園方面に向けて出発。可能な場所で11時2分から10分間、空を見上げる。「周囲に迷惑をかけないことと、目を傷めないように太陽を見ないこと。自分の安全確保にも気を付けて」とも。